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[MOM2061]G大阪ユースFW大谷優斗(新1年)_加速力と動きの変化持ち味の点取り屋

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ガンバ大阪ユースのFW大谷優斗

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.12 アンブロGACH1-TR【ガチトレ】キャンプ G大阪ユースB 3-0 東海学園高 J-GREEN堺]

 50m走のタイムは6秒台後半。ガンバ大阪ユースのFW大谷優斗(新1年)の速さはタイムだけでは伝わらない。ただ、「徐々に加速していく」と説明する速さはハーフウェーラインからスタートし、ゴール前に入った頃には相手にとって脅威を与えるほどになっていく。また、「相手DFの動きを見て、自分の動きを変えていく」のも彼の特長で、東海学園高と対戦した1位トーナメントの準決勝では「自分の特長を上手く出せたと思う」と胸を張ったように、巧みに相手DFの背後へと飛び出し、決定機を何度も演出した。

 最大の見せ場は、前半13分。中盤からのスルーパスに反応すると、「練習していた自分の得意な形。それがうまくいった」とGKとの1対1に持ち込み、冷静に先制点を奪った。大谷は以降も特長を活かして決定機を演出。自身は2点目を奪えなかったものの、快勝の立て役者となった。

 技巧派が多いG大阪の中で、少し毛色が違う大谷はジュニアユースに所属した中学時代から期待される存在だった。2年時には主に途中出場ながらも高円宮杯全日本ユース(U-15)選手権準優勝に貢献。しかし、大暴れが期待された昨年は負傷に苦しみ、夏の日本クラブユース選手権(U-15)大会は試合に出られず。リベンジを誓った冬の高円宮杯も満足に出場機会を得ることができなかった。ただ、戦列を離れている時間を無駄にはせず、「腰を怪我したので体幹を鍛えないといけないと思った」と肉体強化に着手。「これまでと比べて当たり負けしなくなった」。

 ユースチームには年明けから合流し、Bチームが参戦する大阪府1部リーグの試合では途中出場で試合経験を積んできた。「同じ学年とやるのと違って、相手は身体が強くて大変だった」と年上とのマッチアップに苦しみながらも、この日のように持ち味が通用する時間帯もある。一方で課題は決定力。チャンスに絡む回数が多い分、決定機を逸する回数も多く、東海学園戦は先制点を奪った後、そして続いて行われた阪南大高との決勝でもゴールを奪えなかったことを悔やむが、課題解消に向けて、日々の練習後に自主練でシュート技術を磨くなど鍛錬を積んでいる。

 この日、U-23チームの一員として鳥取とのJ3開幕戦でJデビューを果たしたFW白井陽斗(新3年)など先輩FWの壁は厚く、Aチームへの昇格は時期尚早かもしれない。本人もそこを踏まえた上で、「もっと決定力を上げたい。これまで自分が決定機を外して負けた試合も多かったので、しっかり決めてチームを勝利に導ける選手になりたい」と意気込む。この日のようにコツコツと歓喜の瞬間を積み上げて、Aチームの座とガンバのエースの座を狙うつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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