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[Blue Wave winter league 中四国S-1]広島観音が最終節で3発快勝、松山工は内容前向きもミス絡んで敗戦

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広島観音高はMF槙本稔己(左)の先制ゴールなどで勝利

[3.12 Blue Wave winter league 2017 中四国S-1 松山工高 0-3 広島観音高 黒潮町球技場]

 中四国の強豪8チームが冬季にチーム強化と選手育成を目指す「Blue Wave winter league 2017 中四国S-1」は12日、最終節を行い、松山工高(愛媛)対広島観音高(広島)戦は3-0で広島観音が快勝。広島観音が4位で大会を終えた一方、松山工は8位となり、来季の2部降格が決まった。

 今季、プリンスリーグ中国、プリンスリーグ四国をそれぞれ戦う両校の戦いは広島観音が快勝した。広島観音は広島県高校新人戦で4強入りして中国大会への出場権を獲得したものの、国体優勝メンバーのMF山口直也主将をはじめ、アタッカー陣に負傷者が続出。なかなか得点数が伸びなかったが、この日は3得点を挙げた。

 前半10分、この日、左サイドから鋭い突破を連発していたMF槙本稔己が先制ゴール。33分にもMF佐々木寛斗が加点した。松山工にポゼッションを許す時間帯も多かったが、GK井西海斗が好守でチームを支えていたほか、MF安野蓮やCB今野優利、CB手嶋一哉が、松山工がゴール前に侵入する前にボールを奪うなど得点を許さなかった。

 そして後半もカウンターから槙本らが松山工ゴールを脅かすと、25分にはMF出上直樹が抜け出して決定的な3点目。広島観音の内田仁監督は前日に「去年なかなか試合に出られなかった子達。今年はプリンスに戻るし、(新チームの選手達に)試合経験つけさせたいけれど変なミス出てしまう」と口にしていた。それでも、最終節は3得点で勝ち切り、井西は「(今大会は)フィニッシュの精度がまだ上がっていなくて点を重ねることができず、苦しい時間帯もあったんですけど、きょう3点取れたのは今までのチームから考えたら成長できた部分」と胸を張った。日本一を目標に掲げるチームはまずは例年以上に混戦模様の広島突破へ集中する。

 一方、松山工は16年U-16日本代表候補の大型GK伊藤元太から丁寧にボールを繋いで攻撃。期待のFW向井和哉やFW石井隆之介がボールを引き出すと、石井が鋭い突破からポストを叩く一撃を放つなど相手を押し込んだ。また守備面では注目CB志摩奎人主将が対人で抜群の強さを発揮。それでも、チームはまだまだ攻めきる前にボールを失うシーンが多く、決定力も課題となった。志摩は「自分達のミスから相手に攻撃されて失点する場面があった。内容的には悪くなかったと思うんですけど、自分達のボールを失って奪われて失点するところがあったので改善していきたい」と語った。

 松山工は昨年1、2年生が主力の大半を占めていた。志摩や伊藤の存在もあって今年は期待が大きい。坂本哲也監督が「体づくりとスタミナと基本的なことをキチッとやろうと」と説明するように、新チームがスタートした昨年12月からかなり精力的にトレーニングを行い、「やり切れる強さとかメンタル、(自分自身の)メンテナンスを意識付けることを目的にやった」という遠征も連続して逞しさを身に着けてきたという。コンディションを維持できなかった選手もいたようだが、それでも連戦時の身体のケアなどの意識付けという面ではプラス材料。全国8強、さらに上を目指して強化を続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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