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[ガバナー杯]U-19代表の逸材FW中村駿太“加入”でさらに競争激化!青森山田が中村初ゴールなどで快勝!

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各年代の日本代表を経験しているFW中村駿太の加入によって青森山田高は競争が激化

[3.24 ガバナーカップ兵庫2017 青森山田高 3-0 兵庫県選抜U-18 三木防災陸上]

 U-18年代のクラブチームなどによる国際交流大会「ガバナーカップ兵庫2017」は24日に大会2日目を行い、16年度のプレミアリーグチャンピオンシップと全国高校選手権優勝の青森山田高と兵庫県選抜U-18が対戦。2得点1アシストを記録したFW佐々木友(新3年)らの活躍により、青森山田が3-0で勝利した。

 激しい競争がチームを快勝へと導いた。序盤から青森山田が攻撃のリズムを掴むと、6分にはMF郷家友太(新3年)が高い位置で相手のクリアをカット。素早くゴール前にスルーパスを送ると、走り込んだMFバスケス・バイロン(新2年)がシュートを放った。この一撃はGKに阻まれたものの、すかさずFW佐々木友が押し込んで先制。幸先の良いスタートを切った青森山田だったが、指揮を執った正木昌宣コーチが「攻撃の所でもっとフリーランして欲しかったけど、早い時間帯に点が入ってしまったことで変な余裕が出てしまった」と振り返ったように、以降はオフ・ザ・ボールの質が低下し、決定機の数が減少してしまう。兵庫選抜は「空中戦や身体のぶつけ合いは思っていた以上にやれた」とDF林隆一(北須磨高、新3年)と胸を張ったように、時間が進むにつれて守備で自信を掴むと、MF宇野慎一郎(長田高、新3年)やFW三島涼風(関西学院高、新3年)らが攻撃で見せ場作った。

 2点目が欲しい青森山田は前半30分に、柏レイソルU-18から転入予定の16年U-19日本代表のFW中村駿太(新3年)を投入。追加点が奪えないまま前半を終えたが、後半3分には郷家が放ったシュートのこぼれ球を佐々木友が再び押し込んでリードを広げる。24分にもフォアチェックにより、高い位置でボールを奪うと素早く右サイドに展開。佐々木友が中央に入れたボールがゴール前に抜け出し、最後は中村が「ボールが良くて、僕はただ合わせるだけだった。佐々木友クンに感謝しています」と冷静に決めた。中村は青森山田合流後初ゴール。そのまま3-0で試合を終えた。

 勝利した青森山田が3月のテーマに掲げるのは「競争力」。11日から続く長期遠征をこなすうちに、選手間の競争は激化している。この日、2得点1アシストをマークした佐々木友は、3月の遠征第一弾となった群馬遠征では1試合も出られなかった選手だが、続いて行われたサニックス杯でアピールに成功し、今大会に繋げた。前日のディナモ・ザグレブU-18(クロアチア)戦でも決勝点を奪っており、正木コーチは「ここ最近、頑張ってきた努力が報われた。昨年はボールを失う回数が多かったけど、ハードワークをしながら結果を出している。突破の所もやれていて、今ちょっとノっている選手だと思う」と目を細める。

 今大会の直前には、昨年のAFC U-19選手権にU-19日本代表へ“飛び級”招集されてベトナムとの準決勝で2ゴールを決めるなど優勝に貢献している逸材ストライカー・中村がチームに合流。佐々木友が「最初は嘘だろ?と思った」と振り返るように選手には知らされていなかったが、「来るからには彼もそれなりの覚悟を持っているので、チームメイトとして馴染めるようにコミュニケーションをとっている」と転入を歓迎。一方で、「自分たちは山田で3年間やってきているし、僕は小6から覚悟を持って奈良から来ているので仲間だけどライバル心はある」と話すように、U-18世代を代表するストライカーが相手とはいえ、ポジションを簡単に明け渡すつもりはない。中村も競争は覚悟しており、「いきなり来て、いきなりスタメンはプロの世界でもあまりない。そこは自分でポジションを獲りに行くしかないと思っている」と覚悟を口にする。

「ウチは向上心ある子だけでやっているチーム。互いに切磋琢磨して、良くなっていけば我々は嬉しい」と正木コーチが口にするように、競争の激化は個人の成長の原動力であり、青森山田の強さの源でもある。名古屋U18から加わった元U-16日本代表のMF住田将(新3年)に続いて中村の“加入”。激しいサバイバルをチーム力に変え、王者防衛を目指すプレミアリーグEAST開幕を迎えるつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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