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[ガバナー杯]パスワークの良さ出せなかった神戸U-18。敗戦を無駄にせず、飛躍のきっかけに

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チームの課題を指摘したヴィッセル神戸U-18MF佐藤昴。改善して飛躍を期す

[3.24 ガバナーカップ兵庫2017 ボルシアMG U-18 3-0 神戸U-18 三木防災陸上]

 U-18年代のクラブチームなどによる国際交流大会「ガバナーカップ兵庫2017」は24日に大会2日目を行いボルシアMG U-18(ドイツ)とヴィッセル神戸U-18が対戦。前半9分に奪ったMFマキシミリアン・ミラーのゴールを皮切りに3点を奪ったボルシアMGが3-0で勝利した。

 厳しい現実をまざまざと見せつけられた。昨年度の大会では3戦全勝し、大会の頂点に立った神戸U-18だが、この日は「相手の力強さに負けて思うようなプレーができなかった」(MF佐藤昴、新3年)。序盤から、相手ゴール前までボールを運びながらも自分たちのミスでチャンスを逃すと、カウンターを止めることができず肝を冷やす場面が続いた。守備も「前から相手DFに対するケアができなかった」(DF小林友希、新2年)というように、課題が露呈した。

 前半9分には、中盤でのパスミスをMFトム・バラーに奪われると、縦パスを通され、ピンチ到来。ドリブルでゴール前へ仕掛けたミラーにGKとの1対1を決められ、先制された。それでも、佐藤とMF佐々木大樹(新3年)が3列目からの持ち上がりからサイドにボールを捌いて見せ場を作ると、13分にはPA左前でFKを獲得。佐藤が直接狙ったシュートは絶妙なコースを突いたが、GKフランツ・ラングホフの好セーブに阻まれた。

 ボルシアMGが1点リードで迎えた後半も流れは変わらず。後半13分にFW原尊(新2年)のタメから佐々木がミドルシュートを狙ったが、これがGKの正面に終わると、19分には自陣でクリアがもたついた隙を狙われて連続シュートから最後はバラーに押し込まれて2点差とされた。点を獲るしかなくなった試合終盤はポジションチェンジにより、攻撃の勢いを取り戻したが、31分に自陣ゴール前でのパス回しを奪われて3点目を献上。最後まで良さを出し切れず、0-3で試合を終えた。

 MF野田樹安井拓也、FW向井章人の3選手がトップ昇格するなど、メンバーが大きく変わった今年の神戸U-18は「我慢の一年」(野田知監督)だ。特に新チーム結成後から目立つのは代名詞でもあるボール回しについて。パスが合わない場面が多く、小林は「ボールの動かし方がちょっとずつできるようになってきたけど、パススピードや質が足りずミスが目立つので、まずはDF陣がビルドアップの質を上げていきたい」と口にする。

 それでも、大会前に行ったスペイン遠征では、持ち味である連係による崩しで好機を作ったが、この日は「選手同士の距離感が悪く、遠征で出ていた良いプレーを今日は出せなかった」(佐藤)。野田監督も「失点の全ては自分たちのミスから。そこを直さないと厳しいし、攻撃もボールのテンポを上げないとダメだった。相手が前で奪いに来ないのでボールを触る余裕があった分、余計なタッチが多く展開が遅くなってしまった」と続けたように、課題が目についた試合だったことは確かだ。

「今日出た3失点は自分たちのミスからなので、直さなければいけないし、シュート本数も少なかった。課題が出たことが良かったことかもしれない。このままでは(プレミアリーグWESTの)開幕戦でもやられてしまうので、練習での声掛けから徹底したい」。そう佐藤が口にするように、この日の負けを無駄にせず、飛躍のきっかけにできるか。25日(土)に行われる姫路選抜U-18との一戦では、選手の変化に期待したい。

(取材・文 森田将義)

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