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[東京都1部L]選手権開幕戦の活躍がプレッシャーに…関東一GK北村海チディは常にあの時以上のプレーする守護神へ

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関東一高のGK北村海チディは成長して再び選手権を目指す

[3.25 東京都1部L第4節 関東一高 2-0 FCトリプレッタユース 新小岩私学事業団総合運動場]

 選手権を沸かせた1年生守護神は現在、悩みながらの日々を送っていた。関東一高のGK北村海チディ(新2年)は全国高校選手権開幕戦の野洲高戦で後半14分から交代出場。先輩GKの負傷による緊急出場だったにもかかわらず、果敢な飛び出しや、滞空時間の長い跳躍からビッグセーブをして見せるなど失点の危機を阻止して勝利の立て役者をなった。

 続く2回戦の正智深谷高戦では終盤の連続失点で敗れたものの、選手権で脚光を浴びた守護神は背番号1を背負って新シーズンをスタートしている。この日は、シュートセーブする機会はわずかだったが、前半右サイドから押し込まれていた部分をDF陣とコミュニケーションを取って修正するなど完封勝利に貢献した。

 選手権開幕戦では緊張することなくプレーすることができた。だが、あの試合の活躍は本人にとってプレッシャーになっているという。「自分の中で凄くプレッシャーになっていて、開幕戦以上のプレーをしなければいけないとなっている。あまり最近は上手く試合に入れていなくてチームに迷惑かけている」と北村。なぜ上手く試合に入ることができないのかなど、悩みながらの毎日だ。

 新チームが始まってからの2か月、試合経験を増やしてきている。その中でトレーニングから足をしっかり運んでシュートやクロスに対応する点や、コーチングの部分など向上させているものの、本人は「自分的にあまり成長できていない。もっとできると思っている」と非常に厳しい評価。関東一のゴールを自分が守るという責任感が増している分、自分に対して求めるものも厳しくなっている。

 これからの1年間、最大の目標は「(全国決勝で)埼スタで勝って終わりたい」だ。それへ向けて獲得できるタイトルは一つでも多く掴むつもり。「まず関東大会があるので絶対に出て関東大会でもいい成績を取って、インハイでも自分も活躍して、Tリーグも失点をなくしていって1位に。そして選手権も出たいと思っている。チームを鼓舞する声とか、リーダー的な存在的になっていきたい」。個人的にはGKテア・シュテーゲンのように後方からリズムをつくるGKになることを目指しながら、重圧を乗り越えてチームのリーダーの一人として成長し、選手権の舞台に舞い戻る。

(取材・文 吉田太郎)

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