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「勝ち点3は難しい。1でも素晴らしい」背水のタイ指揮官は日本に最大級の敬意

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公式会見に出席したキャティサック・セーナムアン監督

 28日のW杯アジア最終予選で日本代表と対戦するタイ代表は27日、試合会場の埼玉スタジアムで公式練習を行った。練習前にはキャティサック・セーナムアン監督が公式会見に出席。「日本はこのグループの中で最も強いチームの一つ。アウェーでUAEに勝って、タイにとってはこの試合が難しいものになった」と、厳しい現状を受け止めた。

 タイはここまで1分5敗の勝ち点1でB組最下位に沈んでいる。23日のサウジアラビア戦はホームで0-3の完敗。それでも、「あの試合のことは忘れた。明日はベストなパフォーマンスをする」と切り替え、翌24日に来日してトレーニングを続けてきた。

 日本戦で引き分け以下に終われば、3試合を残してW杯出場の可能性が消滅するが、セーナムアン監督は「もちろん勝ち点3を持ち帰ることができたら極めて素晴らしいことだが、難しいと思う。勝ち点1でも素晴らしい結果。明日はできる限りのことをして、素晴らしいパフォーマンスを見せたい」と、日本に対して最大級の敬意を払った。

 “タイのメッシ”と呼ばれるMFチャナティップを始め、タイ代表の来日メンバー23人のうちムアントン・ユナイテッド所属の選手が9人。会見に同席したムアントンのGKシンタウィーチャイ・ハタイラッタナクーンも同様に、「我々は若いチーム。平均年齢は20代前半。アジアで最も強い国から学ぶことはたくさんある」と、日本へのリスペクトを示した。

 昨年9月にホームで行われた日本戦にも左サイドバックで先発していたキャプテンのDFテーラトン・ブンマタンは累積警告で出場停止。指揮官は「フリーキックが上手な選手だったが、明日は代わりに若い選手を出す」と明かし、「チームは個々の選手に依存していない。チームワークでプレスをかける」と、選手にハードワークを求めるつもりだ。

 セーナムアン監督は現役時代、FW三浦知良やラモス瑠偉氏がいた日本代表と対戦した経験があるという。自らその思い出を振り返ると、「明日の試合は選手たちにとって夢のような体験になる」とキッパリ。「日本と戦うのは、アジアのベストチームと戦うチャンス。明日はサッカーを楽しんだ上で素晴らしいパフォーマンスを見せてほしい」。会見では一貫して日本を持ち上げ、日本戦がタイにとって特別なものであることを強調した。

(取材・文 佐藤亜希子)

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