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[UAチャレンジカップ]「強く、速く反応を」「初速を大事にしたい」DAHのランニングスピードトレ、サーキットメニュー体感の選手たちが走力向上へ意欲

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 高体連、Jクラブユースの8チームが総当りのリーグ戦で優勝を争う「アンダーアーマーチャレンジカップ 2017 SPRING」(福島県いわき市、3月27日~29日)は高校生選手たちにとって貴重な学びの場となっている。

 大会は3日間で1チームにつき計6試合を戦うハードスケジュール。加えて栄養講習会や元日本代表MF金田喜稔氏によるサッカークリニック、そしてアンダーアーマー製スパイクの試履が実施されており、選手たちはサッカーの技術面だけでなく、体づくりやスパイクについての知識も学んぶことができている。

 大会2日目の28日には各チームが2試合終了後、いわきFCフィールドに集結。そこで「単に競技に必要な要素だけでなく、スピード、アジリティ、フィジカル、柔軟性、安定性、スタミナ、ストレングス等の体力的要素に加え、競技に必要な機能を兼ね備えたトータルパッケージの機能的アスリートを育成する」ことを目的に結成されている「ドームアスリートハウス」(DAH)コーチ陣の指導の下、ストレングス講習会とランニングスピードトレーニングが実施された。

 DAHの鈴木拓哉コーチと大前祐介コーチは「いかに強くなるか、いかに速くなるか取り組んでいる」トレーニングメニューを1時間かけて紹介。上を目指す高校生選手たちは「日本サッカーのフィジカルレベルを世界トップまで」「ワールドカップで日本が負けた時にフィジカルを理由にしたくない」というコーチ陣から「全力でやらないと意味がない!」と指摘されながら実際にトレーニングメニューを体感していた。

 サッカーにおいて特に重要な走力。コーチ陣は速く走るための要素として「いい姿勢で走ること」「跳ねる、バウンドさせること」「手足をしっかり連動させること」がそれぞれできるかをポイントに上げた。そして腹回り、肩周り、臀部周りのアクティベーションメニューで身体のスイッチを入れてから、エクササイズを実施。足首の上に、膝、その上に腰、胸、首、頭を乗せるイメージでいい形の姿勢を作ることをアドバイスし、またジャンプやバウンディングのメニューでは腕を大きく振ることなど手足をしっかり連動させることを指示していた。

 その後、選手たちは連続してパワーを出し続けることを目指してサーキットメニューにも挑戦。それぞれ1セットの短いものだったが、タイヤを活用したジャンプやシャトルラン、メディスンボールを頭上から地面に叩きつけるメニューなど10種類のメニューをやり切ってトレーニングを終えた。

 サーキットメニューに最も元気よく取り組んでいた印象のチームがグルージャ盛岡ユース。FW佐々木緑久(新3年)は「声出すことを(井手新監督就任後に)確認したことなのでそれはいつも意識してやっています。姿勢とか走り方とか基本的なところからレベルアップするための基礎を学べたので良かったです」と感想を語り、「(速く走ることについて学べたので)セカンドボールに向かって強く、速く反応できるように、いつでも動けるような姿勢、準備をしたいです」と意気込んだ。

 速く、強くなるためのトレーニングメニューを学んだ選手たちはそれぞれが地元に戻ってからも強化する考え。長崎日大高のMF牧村拓(新2年)は「自分はスピードがないので、(姿勢、バウンドさせる、手足を連動させる)3つを意識して走り出しの初速を大事にしたいと思います」と走力向上に取り組む意欲を口にしていた。そし貴重な学びの機会となっている「アンダーアーマーチャレンジカップ 2017 SPRING」について「栄養などについて学ぶ機会はあまりない。ピッチ外が試合に通じることを知ることができて良かったです。まだチームとしては個人差があるので、全体でやっていく必要があると思います」と身体作りなどについて、チーム全体で意識高く取り組んでいく考えを語っていた。

「革新的なサッカーイベントを通じ、ユース期において必要とされる様々な情報、知識を提供することで、世界に通用するサッカー選手を育成し、サッカー界繁栄の一助とする」という理念の下で行われている「アンダーアーマーチャレンジカップ 2017 SPRING」は29日に大会最終日を行い、優勝チームが決定。ゲームでの強化とともに様々な情報と知識を提供された選手たちは学んだことを今後に活かす。

(取材・文 吉田太郎)
アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SPRING

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