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[船橋招待U-18大会]チームメートも「別格」「抜きづらい」と認める対人の強さ、國學院久我山CB上加世田

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國學院久我山CB上加世田達也

[4.1 船橋招待U-18大会予選リーグ 帝京長岡高 0-2 國學院久我山高 高瀬下水処理場上部運動広場]

 接触プレーによって開いた瞼上部の古傷が痛々しかったが、試合中は頼もしい存在だった。CB上加世田達也(新3年)は1年時から國學院久我山の最終ラインの一角を担ってきたDF。埼玉スタジアムで開催された選手権決勝も経験しているCBは今年、同じく1年時から主力のGK平田周とともにチームを引っ張る存在として期待されている。

 この日は「獲れたところでもう一個行ききれなくてピンチになったところもあった。もう一個粘り強く行って、完璧に獲ってしまいたい。きょうは(奪いきれなくて)CKになってしまったのがあったので」。本人も反省したように、完璧な守りができていたとは言い難い。それでも自信を持っている当たりの強さによって相手を苦しめていた。

 現在、手応えを感じつつあるのがインターセプトだ。「インターセプトは段々良くなってきて、今年の自分の武器。(1年時の)選手権も自分は出ていたんですけれども、1年生の時は周りに頼ってばっかりいたというのがあって、チームにあんまり貢献できなかったというのが正直なところなんですよ。でも、インターセプトが自分の武器になったということは攻撃にも繋げられるし、自分が獲ってしまえばカバーが遅れることもない」。この日よりも、精度を増して、チームに貢献して、勝利をもたらす。
 
 上加世田は「自分、下半身、太ももが太いんですよ」と説明していたが、中学時代から意識的に磨いてきた下半身の安定感がその対人の強さをもたらしている。平田も「対人に関しては別格というか、信頼している」と仲間達から信頼されている対人の強さ。それはトレーニングから他の選手たちに示しているものだ。

 この日ゴールを決めた2年生FW宮本稜大も上加世田については「(1対1の練習などで上加世田)達也くんは本当に抜きづらいです。一つ剥がせてもすぐについて来る感じなので隙を見せられないというか、ちょっとでも自分からボールを離すとつつかれてしまったりするので、上手く外したあとにすぐシュートを打たないといけない。凄くいい練習になるというか、ありがたいです」と語っていた。

 仲間達も認める実力を身に着けてきた。都内無冠に終わった昨年の悔しさ、全国準Vを果たした一昨年の躍進も経験しているDFはリーダーとしてもチームを後押しする。「自分のことだけじゃなくて、周りの選手をどう指示して使っていくのか、声というのも課題なんですよ。雰囲気が良くない時もあるし、声出して引っ張っていかないといけないと監督に言われている。苦しい時でも声出して周りを引っ張っていきたい」。プレーだけでなく、声でもチームのレベルを引き上げ、結果に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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