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悔しさもエネルギーに、前育全国準Vの主将・大塚諒は高校選抜で「とにかくアピールしていきたい」

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日本高校選抜MF大塚諒は少しでも欧州で経験を積むために、アピールを続ける

 主将として、前橋育英高を第95回全国高校サッカー選手権準優勝へ導いたMF大塚諒(前橋育英→立教大)は現在、難しい立ち位置を理解し、その中でひたむきに努力を続けている。

 大塚は第55回デュッセルドルフ国際ユース大会(13日開幕、ドイツ)に出場する日本高校選抜の一員として欧州遠征に参加。オランダでの練習試合1戦目は「寄せのスピードだったり、シュートのスピードだったり、距離感をあけたら一気にやられるところで世界と自分の差を凄く感じたかなと思いました」と振り返る。

 それでもU-18オランダ代表と対戦した2試合目の練習試合では「自分の持ち味である運動量であったり、サイドへの展開が何本かできていた」と説明したように、海外選手のスピード感にも慣れて自分の持ち味を発揮できるようになってきているという。

 14年国体で群馬県選抜のボランチとして準優勝に貢献した大塚は、翌15年度の全国高校選手権でもレギュラーとして全国8強。そして16年度は全国準Vの立て役者となった。だが、日本高校選抜では結成当初から青森山田高を選手権優勝へ導いたMF住永翔と市立船橋高の全国高校総体優勝メンバーであるMF金子大毅に続く3番手のボランチという立ち位置となっている。

「この立ち位置は最近経験したことがなかったので自分のプライド的には悔しいというのが大きくて……。でも、そういった中でもチームはチームなので、支えにならなければいけない。自分が出た時には最大限のパフォーマンスができたらいいと思っています」

 今回はFW飯島陸、DF渡邊泰基という前橋育英の後輩たちも参加しているだけに彼らの前で弱音を吐くわけにはいかない。「あいつらもこれからがあると思うんで、このドイツでいい経験して、いいもの持って育英でいい影響を与えて欲しい」というMFは彼らの手本となるようなピッチ内外を送るつもりだ。

 そして自身は少しでも多くの時間ピッチに立つことができるように、これからもアピールを続けていくだけ。進学した立教大は現在東京都1部リーグに所属しているため、現状、トップレベルと真剣勝負する機会は限られている。立大を上のカテゴリーへ押し上げたい、それに貢献したいという思いがあるのと同時に、今回の海外遠征で少しでも何かを掴んできたいという思いがある。「ここでどれだけ経験積むかでこれからのサッカー人生も変わってくると思うので、とにかくアピールはしていきたいと思います」。次のチャンスのために最高の準備をしてそこにぶつけること。「出れることが一番なんですけど、それ以外でもやらないといけない」という決意を持って大塚は国際大会に臨む。

(取材・文 吉田太郎)
●日本高校選抜欧州遠征特設ページ

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