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白熱の“流経大柏高OB”マッチアップ…先輩・新潟MF小泉vs後輩・FC東京DF小川

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FC東京DF小川諒也(左)とアルビレックス新潟MF小泉慶

[7.30 J1第19節 FC東京1-1新潟 味スタ]

 学年は一つ違い。先輩のアルビレックス新潟MF小泉慶が95年4月19日生まれの22歳で、後輩のFC東京DF小川諒也は96年11月24日生まれの20歳。流経大柏高出身でともに汗を流す期間もあった2人は、この日、同じピッチに立つだけでなく、マッチアップすることになった。

 本職はボランチの小泉だが、FC東京戦では右SBの位置に入る。「多分、あいつ(小川)は自分がボランチだと思っていたはず。マッチアップすることは分からなかったと思う」と小泉が語ると、小川が「ボランチで来ると思っていたから、試合前にSBと知った」と振り返ったように、同時にピッチに立つことがあっても“ボランチ小泉”、“左アウトサイド小川”としてプレーすることを予想していたようだ。だが、実際には対面に先輩、そして後輩がいた。

 FC東京がボールを保持する展開となったこともあり、“攻める小川”、“守る小泉”という構図が出来上がる。「1本もクロスを上げさせないようにしようと思った」と小泉が粘り強く対応すると、前半45分には小泉が決定機に顔を出す。右サイドでボールを受けると、MFチアゴ・ガリャルドとのワンツーからPA内へと進入。追走する小川に体を当てられたが「倒れても(PKを)もらえないと思ったし、チャンスだと思ったので何とか粘った」とフィニッシュまで持ち込んだものの、GK林彰洋にストップされてしまった。

 やられたらやり返す。後半5分には小川が決定機を創出する。深い位置でボールを呼び込むと小泉に距離を詰められる前に一気に加速。クロスを阻もうとする小泉の股を抜くグラウンダーのクロスの流れからDF室屋成が左足シュートを放つが、ボールはクロスバーに阻まれてしまう。この場面を振り返った小泉は、「ピンチになってしまったので、ああいうプレーはなくさないといけない」と反省を口にした。

 ともに90分間ピッチに立ちチームの勝利だけを目指した。試合は1-1のドローに終わったこともあり、互いに悔しさを滲ませつつも、お互いの成長を見せ合った“流経大柏高OB”マッチアップには「すごく楽しかった」と白い歯を見せる。

「あいつが持っているものは高校時代からずば抜けていた。今日は太田(宏介)選手ではなく小川が出ていたけど、それくらいの力はあると思うし、自分もそれに負けないようにやっていきたい」(小泉)

「高校時代に一緒にやっていた先輩なので、お互いのプレースタイルは分かっていたと思う。負けられない気持ちがあったけど、クロスを簡単に上げさせてくれないし、やりにくかった。もっと先輩を追っていかないといけない」(小川)

 高校時代を同じ場所で過ごした2人は、さらなる進化を遂げてピッチ上で“再会”することを心待ちにする。

(取材・文 折戸岳彦)
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