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[MOM559]駒澤大FW矢崎一輝(2年)_“切り札対決”制す

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途中出場で決勝点を奪ったFW矢崎一輝

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.7 関東大学L1部第15節 駒澤大2-1東京国際大 東京国際大G]

 1-1で折り返した後半、両軍は交代カードを切って勝負を仕掛ける。まずは東京国際大が後半8分にFW町田ブライトを投入するが、駒澤大も同19分にFW矢崎一輝(2年=駒澤大高)を送り込む。勝負を決める1点を取りに行った。

 そこで切り札としてのしっかりと役割をこなしたのが、矢崎だった。後半39分、右サイドからMF中原輝(4年=ルーテル学院高)がクロスを上げると、ゴール前の混戦を矢崎が左足で射貫き、決勝点を奪った。

「クロスを中原選手が上げると思ったので、一旦、敵の前に入ることを意識しました。そのあと自分の後ろに流れてしまったんですけど、(味方が)うまくつぶれてくれて、流し込むだけでした。人の前に入って、次の動きということをスムーズに出来たのがよかったと思います」

 矢崎には明確な課題がある。秋田浩一監督も矢崎の突破力には一目置くものの、「連続性がない」とスタミナ面の未熟さを指摘する。4月8日の今季開幕戦ではスタメン出場を果たしたものの、見せ場を作ることが出来ず途中交代。チャンスを活かすことが出来なかった。

 ただ前期は3試合の出場にとどまったが、夏の厳しい練習でスケールアップすると、後期は4試合連続で途中出場。9月22日の流通経済大戦では関東リーグ初ゴールも決めた。そして東京国際大戦では値千金のゴールを奪ってみせた。「(監督からは)お前を入れるときは点が欲しい時だからと言われている。そこは自分も意識していた。何よりチームが勝てたことが良かったです」。

「後期が始まる前は優勝を目標にしていた。でも自分たちの目標は全国制覇。インカレに出て、全国大会に行かないといけないので、一試合一試合大切に戦いたい」

 高校時代は2年連続で高校選手権に出場。2年時には全国8強を経験した。その経験がサッカーを続ける上での自信になっているという。次節はFW室町仁紀(4年=東京Vユース)が累積警告で出場停止ということもあり、先発に抜擢される可能性がある。前期からの成長を示すという意味ではうってつけの舞台だ。「チームが勝つために頼られる選手になりたい」。伸び盛りの20歳。8年ぶりのインカレ出場を目指す上でのキーマンの一人になりそうだ。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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