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スーパークリアの20歳冨安、麻也の助言も生かし猛アピール

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前半11分、カバーに入ったDF冨安健洋が起死回生のクリア

[11.16 キリンチャレンジカップ 日本1-1ベネズエラ 大分]

 前半11分だった。DF佐々木翔からGKシュミット・ダニエルへのバックパスが弱くなり、ベネズエラFWサロモン・ロンドンがカット。ロンドンのシュートはシュミットの横を抜け、無人のゴールへ向かっていったが、これをクリアしたのが日本代表DF冨安健洋(シントトロイデン)だった。デビュー2戦目でキャプテンのDF吉田麻也と初めてコンビを組んで先発した20歳のスーパークリアが、早い時間帯の失点を防ぎ、拮抗したゲームを作り出した。

 超ファインプレーでロンドンの出端をくじいたあとは、プレミアリーグでロンドンと対峙した経験のある吉田の助言を生かした。今合宿中、吉田から聞いていたのは「足も遅いわけではないし、体は強い。いろいろ駆け引きしながらやれ」ということだった。

 結果的にロンドンにほとんど仕事をさせることがなかった冨安は「(吉田)麻也さんとサロモンにはバチバチやっている感があったけど、僕は正面からぶつかっても勝てないことは分かっていたから、前に入ったり、いろいろな駆け引きをしながらやろうと考えて試合に入った」と振り返り、「僕としてはあとから入ってきた17番(ホセフ・マルティネス)の方がスピードがあって嫌だった」と飄々と言ってのけた。

 シントトロイデンのチームメイトで、代表ではこの日初めて同時にピッチに立ったMF遠藤航は「(冨安は)20歳だけど落ち着いている。後ろにいて安心感がある。今日は相手の強い1トップ(ロンドン)にも当たり負けせずやっていた。ビルドアップのところでもボールを受けて縦に入れるとか、やっていて頼もしかった」と目を細める。

 身長188cm、体重78kgとまだ細身な冨安は今後、体づくりが進んでいけばバチバチ当たる守り方も可能だろう。「今日はサイドへの横パスを狙われたりしていたので、もう少し中盤を使いながらビルドアップしていけたらいい。僕のところからもっと縦パスを付けられればチャンスをつくれたと思う」。20歳の大型センターバックが定位置争いでアピールに成功した。

(取材・文 矢内由美子)

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