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U-20W杯まで4か月…湘南MF齊藤未月「あの試合で全員が感じた」“差”を埋める新シーズンへ

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湘南ベルマーレMF齊藤未月

 昨年のU-19アジア選手権ではU-19日本代表のキャプテンとしてチームを統率した湘南ベルマーレMF齊藤未月。今年5月に開催されるU-20W杯の出場権獲得に貢献した。アジア王者に一歩届かなかった課題を持って、世界大会へ。U-20W杯まで残り4か月。激動の新シーズンが幕を開ける。

――U-19アジア選手権ではピッチ上でチームメイトに怒号を飛ばす場面もあって、キャプテンシーが光っていました。改めて、キャプテンとしてどんな意識を持っていましたか。
「代表チームには怒る選手、口調が悪くなったりする選手って意外と少ないイメージがあります。僕は元々、試合中にあまり良くないと思った選手には強く言ったりするタイプだし、いいか悪いかは別として、こういう年代では必要なことかなと感じました。

 僕自身も人に強く言うことで、自分のプレーに対する責任は強くなります。プレーでもチームメイトに『助けてほしい』と頼られるような選手にならないといけないなと感じていました。プレーも言葉もそうですし、行動でもしっかりとした立ち振る舞いをする必要があるというのは代表でも考えています」

――自身が出場しない試合ではチームメイトへの信頼を口にしていました。
「ピッチだけなんです、厳しいことを言うのは。ただ、チームにとって必要なことは言おうと思っています。言う必要がないと判断した時は言わないですし、考えさせたほうがいいと思った時は考えさせます。そこの区別は多少できています」

――影山監督のチームでボランチに求められる役割をどう捉えていますか。
「守備の部分ではしっかり潰して、リスクを管理するところ。ボールを奪い切って前に出ていく。そういうタイプの選手は多くはないので、そこは求められています。プラス、攻撃でもボランチが味方をコントロールする。今は時間帯が悪いから切ったほうがいいとか、しっかり後ろでつないだ方がいいとか。すべてのプレーの判断ですね」

――準決勝でサウジアラビアに敗れ、アジア王者の座は逃しました。あの試合で見えた課題をU-20W杯にどうつなげますか?
「サウジ戦は相手にずっと回されてしまって、誰もボールを奪うスイッチのようなものを入れられなかったのが一番の課題でした。僕たちはボールを持っている方が生きるチームなので、どれだけ早くボールを奪い切って、どれだけ速く攻撃できるかが大事になると思います。

 僕はサウジ戦に出場しなかったけど、ボールを奪い切ることがどれだけ大事かというのは、あの試合で全員が感じたと思う。僕はそこがストロングなので、10回相手が来たら10回ともボールを奪って、10回攻撃につなげるイメージでいます。どの相手に対してもそれを意識して、自分が世界でどれだけできるのか、日本がどれだけ勝っていけるかを証明したいです」

――U-20W杯はキャリアの中でどういう大会と位置付けていましたか。
「梅さん(梅崎司)もU-20W杯に出て人生が変わったと言っていたし、世界と対戦するいい経験になる。チームとしても個人としても活躍できたり、いい順位に入ったりできれば、世代全体も視野が広がってくる。今後につながる意味でも大きい大会なんじゃないかなと思います」

――どんな戦い方をイメージしていますか。
「日本が主導権を握って試合を展開できたらチャンスはあると思いますし、相手がデカかったり、プレッシャーが速かったりしてもビビらず、監督が求めるサッカーをすることが大事かなと思います。アジアの大会は出場権を獲得しないといけないプレッシャーがありましたが、U-20W杯はそういうプレッシャーがない分、力を発揮できると思う。相手を圧倒するくらいの勢いを持って、一つずつ試合に勝てたらと思います」

――昨年12月のブラジル遠征ではクロスからオウンゴールを誘発するなど、攻撃面の貢献が大きかったですね。
「タメて縦パスを出すところだったり、使う側としてのプレーを意識しました。昨シーズンが終わってから、曺さん(曺貴裁監督)とそういうプレーをもう少し増やしていかないといけないという話をして、試合で出せたのは良かったです」



――所属クラブでの2018シーズンはどう自己評価していますか。
「J1に残留したのはチームとして大きかったです。前期はリーグ戦になかなか出られなかったですが、僕自身はプレッシャーのかかる試合に出場して勝利に貢献できたり、自分の思うようなプレーを出せたり、そういう試合は多かったです。ルヴァン杯を優勝してくれたことも感謝しています。ルヴァンがなかったら今季の僕の成長はなかったと思います」

――J1初ゴールもありましたね。
「得点にこだわる気持ちは今も強いです。0-0の状況でボランチがミドルシュートを決めるというのはチームの助けになるので、そういう部分は今年もっと出していかないといけないし、成長できるところかなと思います」

――新シーズンの目標を教えてください。
「昨年もずっとスタメンだったわけではないですし、湘南でしっかりスタメンをとって、チームの軸となる選手になることが一つ。もうひとつは、今年こそ開幕スタメンから全試合に出場するという目標もあります。リーグ戦は上の順位を目指すチャンスだと思うし、ルヴァンはカップを守るという意味でも大切なシーズンになります」

――激動のシーズンの“相棒”となる『X(エックス)』の履き心地はどうですか?
「スパイク選びで一番こだわっているのは中で足がズレないこと。僕は止まる動作だったり、そこから動き出す動作だったりが多いので、フィット感を求めています。それを完遂してくれるのが『X(エックス)』です。デザインも色合いもかっこいいですし、これを履いてサッカーをする選手が増えてくれたらいいなと思います」



(取材・文 佐藤亜希子)

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