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“鹿島組”懐かしむ昌子、欧州生活3か月は「やられてばっか」

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ロシアW杯以来の日本代表復帰を果たしたDF昌子源(トゥールーズ)

 衝撃の敗戦から9か月。欧州挑戦から3か月。ロシアの主力を担ったDF昌子源(トゥールーズ)が日本代表に帰ってきた。「(A代表は)W杯以来だし、(西)大伍くんとか、安西(幸輝)とか鹿島組もいて、妙に懐かしい感じ」。悔しさを原動力とする26歳は、日本のファンに成長した姿を見せつけるつもりだ。

 ロシアW杯準々決勝ベルギー戦(●2-3)では自らの目の前で決勝ゴールを決められ、涙ながらに悔しさを語った昌子。その後、昨季後半戦は足首の負傷で一時離脱しながらも、鹿島にクラブ史上初のアジア制覇という置き土産を残し、昨年12月29日にフランスのトゥールーズに渡った。

 初先発した1月19日のリーム戦で初勝利に貢献すると、公式戦全9試合にフル出場が続いており、いたって順風満帆にも思える。だが、内心はそうでもないという。「衝撃というか世界レベルというか、常に異国の人たちとやるのは初めての経験だけど、いろんなところで悔しい思いをした3か月」。初めての欧州挑戦を神妙に振り返る。

 同水準の相手にはチームとして互角の戦いができるものの、3月2日に敵地で迎えたリヨン戦に1-5で敗れ、名門クラブとの差も突きつけられた。「僕は基本フランスリーグでやられてばっか」。レギュラーポジションを獲得できたという満足感ではなく、自身の課題ばかりに目を向けている。

 とはいえ、昌子にとっては悔しさこそが原動力だ。「リーグは残り半年、悔しい思いが続くシーズンになると思う。いらつくこともあるけど、それをプラスに変えてきたサッカー人生だった。悔しい思いをして成長して、そうすれば自分自身強くなる」。これまで積み上げた自信はいまも失っていない。

 国内親善試合で初めて経験する時差との戦いにも前向きだ。国内組時代はセンターバックコンビを組むDF吉田麻也ら欧州組に対し、「パフォーマンスを落とさずやるのはすごい」と憧れを持っていたようだが、今度は自らがそれを体現する番。「自分のコンディションを整えて、いろんな経験をして、チャレンジしていくのが大事」と目を輝かせる。

 ロシアW杯では若手に属したが、現メンバー23人中では上から数えて11人目になった。「どっちかというと年下のほうが多い。上の年代の人たちと下の年代といろんな話ができればいいし、どっちかに偏ったらよくない。初めての選手が多いので、いろんな話ができれば」。新たな役割にも意気込みを示し、待望のA代表生活をリスタートさせた。

(取材・文 竹内達也)

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