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神戸への帰還を勝ち取った筑波大DF山川哲史、大学で得たものは“自信”「大学に来て良かった」

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神戸への入団を内定させたDF山川哲史

[4.6 関東大学L1部第1節 筑波大5-1駒澤大 味フィ西]

 5日にヴィッセル神戸への入団内定を発表した筑波大のDF山川哲史が、発表翌日に行った関東リーグ戦の開幕戦にフル出場し、大勝発進に貢献した。「普段通りのプレー」を心掛けていた」という山川は、「チームの勝利に貢献できればなと思っていた」と快勝発進を素直に喜んだ。

 兵庫県尼崎市出身。ヴィッセル神戸にはU-15から入団した。高校を卒業するまでプレー。特別なクラブであることは明らかだ。もちろん、大学経由で戻りたいと思っていた。ただ、まさかMFアンドレス・イニエスタやFWルーカス・ポドルスキら世界的選手とチームメイトになるとは、「全く考えてなかった」と苦笑いを浮かべる。

 筑波大入学後も下級生のころから神戸の練習に参加する機会を得ていたが、練習参加するたびに有名人が増えて行った。今年1月に練習に参加した際には、FWダビド・ビジャも加わっていた。「自分の想像と越えてくる技術や動き出しで、ビックリしました」とワールドクラスのプレーを目の前にして、改めて憧れを再確認。同時期に正式な獲得オファーを受けたことで、“帰還”を決断した。

「早い段階で声をかけてもらえていた。早く決めることでメリットが多いので、総合的に考えて決めました。練習の中でも世界で活躍してきた選手というのは、対峙して得るものがたくさんあると思います。でもおめでとうという声をたくさんもらうんですけど、プロになることがゴールじゃない。期待を自分の力に変えていきたいです」

 4年間で最も成長したと自負するのは精神面。神戸U-18を卒団するころにはなかった「プロでやる自信」がついたことだという。筑波大では1学年上にDF小笠原佳祐(熊本)とDF鈴木大誠(徳島)が在籍。下級生のころはベンチを温めることも少なくなかった。ただその経験を、「何で出れないんだと思えるくらいの自信があった。それが高校の時と大学の時では全然違う。堂々とプレーできますし、思い切ったプレー、人への強さという部分でもプラスになっている」という成長につなげられたという。

「試合に出てからも自信がついてきましたし、過程の中での自信を意識している。一つひとつのプレーで上下するんじゃなくて、これまでやってきたことを信じて、自分なら出来るという気持ちを持てることが一番変わったことだと思います。自分自身もプロでやる自信は全然なかったので、大学に来て良かったなと思います」

 入団内定発表と同時に特別指定選手に承認されたことで、今季中の神戸デビューが可能となった。今後は神戸の練習にも積極的に参加していく予定だという。「練習でも筑波で得られるものとは別物だと思う。いろんな場所でサッカーをして大きくなっていきたい」。最後の開催となるユニバーシアード大会に臨む全日本大学選抜としても活躍に期待がかかる山川。忙しい大学最終年となるが、充実に1年にしてみせる。 

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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