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[関東2部]“小林悠世代”以来の1部昇格が見えてきた!夏場の充実武器に拓殖大が4連勝で3位浮上

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拓殖大が4連勝と後期好発進を決めている

[10.5 関東大学L2部第15節 拓殖大2-1東京学芸大 朝霞中央公園陸上競技場]

 拓殖大が後期に入って4連勝と好調だ。最下位の東京学芸大との一戦では、一旦は同点に追い付かれたものの、後半18分にMF池田廉(4年=習志野高)のアシストからFW長尾吉家(4年=静岡学園高)が得点して突き放した。

 4連勝で勝ち点は26。日本体育大をかわして3位に浮上した。勝ち星の数は4勝2分5敗だった前期に早くも並んだ。「今日もラッキーな面があって失点を防げたが、勝負強さはついてきている。それは間違いない」。後期の4連勝のうち、1点差ゲームは3度目。「1点差で逃げ切れるようなチームではなかった」前期からの変貌に、玉井朗監督も手ごたえを感じずにはいられない。

 きっかけとしてはやはり夏の戦いで自信をつけたことが大きい。関東地区の総理大臣杯予選であるアミノバイタルカップでは、1回戦で日体大に競り勝つと、2回戦では1部の桐蔭横浜大に4-1で大勝。そして総理大臣杯の最後の出場枠をかけた中央大との7位・8位決定戦には1-0で勝利し、実に37年ぶりとなる全国大会出場を決めた。

 総理大臣杯では1回戦で北海学園大には11-0で大勝。2回戦では4強に勝ち上がった関西大に0-3で敗れたが、玉井監督も「自信は自分たちでつかみ取るもの。全国大会に出れたのは良かったと思います」と認める大きな経験値を得ることが出来た。

 拓大には卒業生に2017年のJリーグMVPを獲得したFW小林悠(川崎F)がいる。その小林が4年生だった2009年には2部リーグで2位となり、同大史上唯一となる1部昇格を果たしている。MF杉本真(現VONDS市原)やFW三村真(現岡山)といった複数の後のJリーガーを擁したチームだったが、玉井監督によると、「今年の方がだいぶいいチーム」なのだという。

 その根拠として一人ひとりの技術の高さを挙げる。また今年は朝練習に誰も遅れることなく全員が時間通りに揃うというような選手の真面目さも跳ね備えていると目を細める。さらに個々の成長も目覚ましく、特にFW田中幸大(2年=東海大甲府高)が前線のターゲットマンに成長したことで得点パターンの増加、そのことで攻撃面の活性化に繋がっていると説明した。

 ただ3位とはいえ、首位の慶應義塾大とは勝ち点差8、2位の国士舘大とは同4と、昇格圏とはまだ1勝以上の差がある。が、それでも“後期首位”に立つ自信が、イレブンの心をより強くしている。主将DF西山大輝(4年=静岡学園高)も「自分たちの力を表現できていることが嬉しい」と笑顔で話す。「目的意識が持てているので、チームが一つになれている」。1部昇格という目標をより明確にすることが出来たという夏場の経験を武器に、オレンジ軍団が勝負の秋を戦う。

(取材・文 児玉幸洋)
●第93回関東大学L特集

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