beacon

インカレ初出場・高松大、4失点で初戦敗退も「これは絶対につないでいかなきゃいけない」

このエントリーをはてなブックマークに追加

インカレ初出場の高松大は初戦敗退に

[12.11 インカレ1回戦 高松大1-4中京大 浦安]

 高松大はインカレ初出場も1-4で初戦敗退。吉田明博監督は「相手のサッカーに対する適応力、対応力がまだまだ未熟だったと見せ付けられたゲーム」と試合を振り返った。

 四国大学リーグで初優勝を収めた高松大は、四国代表として初のインカレ出場へ。しかし中京大との初戦は前半13分、15分の失点で難しい試合展開に。38分、39分にも立て続けに失点を重ね、前半だけで0-4。諦めない姿勢で試合終了間際に1点を返したものの、1-4の大敗で早々に大会を去る結果となってしまった。

 吉田監督は立て続けの失点シーンに「もっと指示できればよかったんですけど、それを出来ずに失点が重なってしまったっていうのは選手に申し訳ない」と自戒。もともとは守備を徹底して試合に入るチームとして、四国大学リーグでも後期は5試合全勝で頂点に。満を持して挑んだ全国大会初戦だったが「チャレンジはできていたんですけど、相手のほうが上回っていた部分があったと強く感じました」と悔しさも垣間見せた。

 ただ、チームの歴史に“初出場”という新たな1ページは刻めた。「何よりも選手たちが目標を明確にして、そのためにできることを全力でやるっていうことを最後まで徹底してやってくれた」と愛弟子たちをねぎらう指揮官。特に主将としてチームを牽引し、終了間際に一矢報いたMF石川健太(4年=坂出商高)の名を挙げる。

「彼が一番本当に頑張ってくれた。私が彼をキャプテンにしたんですけど、彼が成長しないとこのチームは成長しない、って言ってスタートしました。でも本当にここまで成長して、最後まで諦めずにっていうところもみんなで最後まで出してくれた。これは絶対につないでいかなきゃいけない。ちょっとずつかもしれないけど、伝統を創っていきたいですね」

 主将・石川は「悔いはあります」と言いながらも笑みをこぼす。自身について、声で鼓舞するタイプではなくプレーで見せるタイプと語る。前期は1勝3分1敗で終え「全然だめだった」。しかし後期までの間に石川はプロクラブの練習に参加。「刺激を受けました。大学での寄せとかパススピードとかが遅く感じて、そういう上のレベルでやったことがリーグ戦につながって、優勝できたと思う」と今季を振り返った。キャプテンとしての使命を全うした石川だが、指揮官からのねぎらいの言葉には少しだけ補足をする。「今までの先輩たちだったり、そういう人たちのおかげで出られたっていうのもあるので、そういった人たちに感謝ですね」。

 サークルとして発足したのは1996年。翌年には部に昇格し、18年には初の全国大会である総理大臣杯に初出場した。ひとつずつ歩んできたその実力は決してなくなることはなく、次の世代へと着実に受け継がれている。

(取材・文 石川祐介)
●第68回全日本大学選手権(インカレ)特集

TOP