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日本代表、岡田監督就任会見 1

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 日本サッカー協会は7日、東京都内で理事会を開き、脳梗塞(こうそく)で入院しているイビチャ・オシム日本代表監督の後任に岡田武史氏の就任を正式に決定した。
 同日行われた新監督就任記者会見には、川淵三郎キャプテンと岡田監督が臨んだ。


川淵キャプテン
「オシム監督が病に倒れて今日で3週間が経過しました。奇跡的な回復と言われているが、まだ余談を許さない状況が続いている。意識がある程度戻り、家族のみなさんと話ができる状況まで回復されていることを嬉しく思う。その間、日本各地や世界からお見舞いや励ましをいただき、順天堂大学病院の関係者にも献身的な治療の努力をしていただいたことを、日本サッカー協会として、またオシム家に成り代わってお礼を申し上げたい。
 この状況をオシム監督自身、十分理解していない。その中で苦渋の決断をして、新しい監督を選ぶことになりました。オシム監督が元気になられた時、やむをえなかったことと理解していたけると思うし、そういう日が来ることを祈っています。今日、強い覚悟を持って決意してくれた岡田監督に心からの感謝と敬意を表したい」


岡田監督
「今、キャプテンから話があったように、オシムさんが代表監督を続けられないという状況になり、彼の無念さを思うと、サッカー仲間としても、監督仲間としても心が痛みます。私もこういう形で(代表監督の)話をもらった時、人生は分からないものだと思いました。1週間前まで全く考えられなかったこと。考えれば考えるほど引き受けられないと思いました。ですが、何かやらなきゃいけない、トライしなければいけないと沸々と感じた。それで、あまり深く考えずにやりますと言った。引き受けた以上、日本代表チームがW杯に出場できるように全てを尽くしたい。これからいろいろあると思いますが、みなさんとできる限り、いい関係を築いて行きたい」

― 代表監督を引き受けた理由は?
「自分の気持ちの中でやると決めたのは理屈ではない。今までは登ったことがある山ばかりだったが、横を見たら断崖絶壁がそこにあった。これにチャレンジしなければならないという気持ちがわいてきた。オシム監督が倒れる1週間前に、実はJリーグからのオファーを受けていたが『何か違う』と感じ、条件を聞く前に断っていた」

― オシム監督のチームが出来上がりつつある中で、どんなチームにし、どんなサッカーをしたいか?
「今まで日本代表、札幌、横浜FMと監督を務めてきたが、いつも(チームが)うまくいっていないので代わってくれという話だった。だが、今回は決してうまくいっていないわけではない。自分の色を出して、引っ張っていくのは得策ではない。年明けの1月15日から10日間ほどの合宿を予定しているが、このキャンプだけで新しいチームを作る自信はありません。ましてオシムさんのサッカーはオシムさん以外にはできない。それでもできる限り、今あるものを生かして少しずつチームを作っていくのがベターだと考えています。ただ、日本人のコンセプトという意味では誰がやっても変わらないと思います」

― 代表監督をしていた10年前と違っていることは何か?
「10年前から10年が過ぎたということ。だいぶ違っている。まずサッカーを取り巻く環境。当時は日本中がW杯を知らず、クレイジーな状態だった。10年前に引き受けた時、チームはどん底で、絶体にW杯はダメとも言われました。まさに追い込まれた時の就任でした。しかし今はまだ予選が始まっていない。成績はこれから出る。その違いがあります。あの時は僕も若かった。自分の中でともかく必死でした。自分も年を取って、人間として少々、丸くなった。昔ほどみなさんに辛く当たることもないと思います(笑)」

― 川淵キャプテンに質問です。岡田さんに求める目標は何か?
川淵キャプテン
「W杯に出場して予選リーグ突破というチームを作ってほしい」

― 1月15日から10日間の合宿を予定しているということだが、具体的なスケジュールは?
「12月中に1日だけ選手を集めようと思っています。今、協会にお願いしています。選手を見極めるということもある。選手たちにはそこまでコンディションを保ってほしい。その合宿では練習試合を考えている。その後、どういう心構えでオフを過ごしてほしいか、公式戦を迎えてほしいかなどを選手たちに提案するつもりです。15日からキャンプをやり、キリンチャレンジカップを2試合やって、W杯にのぞむ」

― 岡田監督の具体的なコンセプトは?
「コンセプトは変わりません。人もボールも動くサッカーというもの。日本人が世界で戦う上でのコンセプトは変わりません。できるだけコンタクトを避けた状態で攻撃をしかけていく。ディフェンスも待っているのではなく、こちらから行くというスタイルです」

― オシムジャパンに入っていなくて構想にある選手はいるか?
「大枠の中ではある。1、2人はいます」

― 海外組については?
「今、スケジュールを調べていて、どこでどう呼べるかを検討している。試合に出ている出ていないというのもある。チームの戦力になるかどうかが大事。試合前日に帰ってきて、すぐに試合に出して、コンディションが悪いとか、そういうリスクは負えません。トータルに考えて戦力になるかどうかを考えたい」

― 川淵キャプテンに質問です。オシムさんが回復された場合、どういう立場にするのか?

川淵キャプテン
「日本サッカーに貢献したいと彼が言うならばそうしてほしいし、早くそうなってほしいと思います。今は病に倒れていることを十分認識していない状態ですから、回復を待って話し合いを進めたい」

※2に続く・・・

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