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今治が神戸弘陵MF松井治輝加入内定を発表!他と違うパス感覚の持ち主は“戦える技巧派”になって1年目から活躍を

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神戸弘陵高の技巧派レフティー、MF松井治輝FC今治

 FC今治は27日、神戸弘陵高(兵庫)のMF松井治輝(3年)の来季新加入内定を発表した。松井は左足から繰り出す長短のパスが売り。「他の選手が見えていない場所にパスを通すのを意識している」と話す通り、他の選手とは違ったパスの感覚を司令塔タイプのボランチだ。神戸弘陵からのJリーガー誕生は、MF江坂任(現柏)、DF田平起也(現C大阪)らに続き9人目となった。加入に当たり、松井は「サイド攻撃が中心のFC今治に入り、サイドへのパスと中央からの崩しを増やせる選手になりたい」と意気込みを口にした。

 小中学生時代に、MF堂安律(現ビーレフェルト)を輩出した西宮SSで磨いたテクニックは高校でも目を惹く。高校1年目はU-16兵庫県選抜の一員として福井国体を経験し、順調なスタートを切ったが、同冬に中足骨を負傷。怪我からの復帰後はAチームに絡むつもりでいたが、Bチームでのプレーが長く続いた。

 センスを認めながらも、谷純一監督がAチームであまり起用しなかったのは、「来年以降の主力になるには足りない所を本人が真摯に向き合い、気付き努力して欲しい」と考えていたためだったが、Aチームでの活躍を目指す松井は自身のプレーを見つめ直す機会になった。

「これまでは左足の技術に拘ってサッカーをやってきたけど、それ以外も改善しないとダメだと気付いた」と振り返る松井は、試合や練習で今まで以上にチームのために走り、切り替えの速さや球際の強さを意識するようになったという。

 昨年度は選手権予選での出番はなかったが、変化が認められ選手権ではメンバー入りを果たした。3回戦の帝京長岡高戦では後半途中から出場。結果は0-5と惨敗で終わり、「全国レベルとの技術の違いや、サッカーの差を感じたので自分たちの代に繋げないといけないと思った」。特に同じレフティーのMF田中克幸(現明治大)は「プレーを一目見ただけでも違いを感じた。これくらいのレベルにならないと全国で活躍できないと思った」と目指すべき存在になった。

 主力の一員として迎えた今年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、思うように活動ができない中でも、長所である左足を磨き続けた。松井に転機が訪れたのは7月のこと。神村学園高(鹿児島)、米子北高(鳥取)ら全国トップクラスの強豪と対戦した練習試合でのプレーが、今治の強化担当を務める小原章吾氏の目に留まった。当初は自分がJリーガーになれるとも思わず、関西の強豪大への進学を考えていたが、今治からの高評価を知り、心が決まった。

 10月上旬には今治の練習に参加。「他の選手とは違うプレーのアイディアを見せて、自分をアピールしようと考えた」松井は存分に長所を発揮する。当初は2日間の出来によって獲得の有無を決める予定だったが、課題の守備でも改善が見られたため、神戸弘陵に獲得の意向が伝えられた。

 一足早く、プロの世界を体験した松井は「今治は成長するには理想的な環境。厳しい環境に身を置いて大きく成長したい。練習参加した際に課題も見つかったけど、攻撃面では手応えを感じた。長所を伸ばしながら、課題を解消できれば1年目からレギュラーに絡めていけるかなと思った」と自信を覗かせる。パスセンスは他と違う感覚を持っており、プロの世界でも目を惹く可能性は十分にある。今後は、”戦える技巧派”への変貌を目指し、更なる高みを目指すつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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