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「熊倉君以上のプレーを」。日本高校選抜は負傷欠場の主将に代わる2年生GK藤井が奮闘

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日本高校選抜GK藤井陽登(矢板中央高2年)はV候補の関東選抜Aを1得点に封じた

[3.4 デンチャレ 日本高校選抜 1-1 関東選抜A]

 日本高校選抜の守護神の役目を果たした。大学生の関東選抜Aに計16本のシュートを浴びた日本高校選抜だったが、DF陣が最後まで粘り強くコースを限定。そして試合序盤に抜け出しから関東A・FW大竹将吾(青山学院大3年=富山一高)に放たれたシュートをはじめ、枠へ飛んできたシュートはGK藤井陽登(矢板中央高2年)が落ち着いてストップし続けた。

 矢板中央高(栃木)の2年連続選手権3位に大きく貢献した守護神は、自信を持っているシュートストップをデンソーカップチャレンジでも発揮。「ゴール前の守備を徹底してやること、しっかりと守ることを意識してやりました」というGKは、DF陣とともに集中力を切らさなかった。

 後半32分にミドルレンジから右SB山原怜音(筑波大3年=JFAアカデミー福島U-18)に決められたシュートは「防げた失点」と反省する。それでも、“プロ予備軍”と言える注目大学生たちを1得点に封じて価値あるドロー。藤井は「味方が身体を張ってくれたことなので、仲間に感謝したい」と献身的なディフェンスを続けていた仲間に感謝していた。

 日本高校選抜はGK熊倉匠(山梨学院高3年)が大会前に負傷。山梨学院高(山梨)の主将、守護神として選手権日本一の立て役者となった熊倉は、日本高校選抜でも主将を務める。だが、デンソーカップチャレンジの不参加が決定。今大会は藤井がゴールを守ることになった。

 自分がやるしかない。日本高校選抜の守護神としての覚悟を固めた2年生GKは、初戦こそ2本のPKを含む4失点を喫したが、この日は前日を上回る奮闘。「今日の試合は自分が活躍して、という思いがあって、少しでも活躍できたと思います。熊倉君が怪我で出れなくて、自分が熊倉君以上のプレーをしなければいけないと思っていたので、昨日はあまりできていなかったんですけれども今日は大分できたと思います」。熊倉に負けないようなパフォーマンスで大学生からの勝ち点奪取をもたらした。

 今年、最高学年になる藤井は、より安定感やミドルシュートへの対応を高めていく考え。そして、「目標は選手権で日本一を取ること。自分が悪いところとか直していきたい」というGKが、この大会で得たものを今後の活躍に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)
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