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東京Vでの日々、J2出場で変化、成長続ける16歳MF橋本陸斗

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16歳の注目レフティー、MF橋本陸斗(東京Vユース)

 史上3番目となる15歳10か月26日(2月28日、東京Vvs愛媛)でJリーグデビューを果たし、J2で計3試合に出場しているMF橋本陸斗(東京Vユース)が12日、U-17日本候補合宿初日の練習に参加。ラストの8対8プラスフリーマンを除くメニューに参加した橋本は、「久しぶり(昨年12月)の合宿なのでまずは楽しみ。インテンシティが高いので、もっともっと上げていかないといけない。(ドリブルやシュートといった)自分の得意な攻撃面で違いを出せたらと思います」と意気込みを口にした。

 トップチームの日々やプロの公式戦を経験することで、得意の攻撃面以外もレベルアップしている。東京Vトップチームの永井秀樹監督から特に求められているのは守備の部分。本人も「特に守備のところは今回見て欲しいなと思っていて、強度はプロでやっているので全然違うと思う」と頷く。

 同時に感じているのは、まだまだ自分がプロで通用していないということ。出場時間、チームに貢献するプレーの回数もまだまだ少ない。「(J2では)判断が遅いとガツンと来られてボールを取られてしまう。判断や立ち位置のところ、ボール持ったら積極的に仕掛けるところ、まだ通用していないけれど、もっと得意なところを出していきたい。もっと通用する選手になりたい」と力を込めた。

 J2デビューしている左利きのドリブラーは、これまでから意識変化していることも確か。それは練習後の取材待ち時間に短い会話をしたというU-17日本代表の森山佳郎監督も感じ取っていた。

 指揮官は会話の際にまだトップチームで同点やリードされている展開での出番が無く、「2つくらい壁があるな」を指摘。「(すると)『3つも4つも壁があります、と言っていた』。良い意味でちょっとあどけなさがある中で、天真爛漫で怖いもの知らずなところがあったのが、(プロの)怖さがある中で『絶対に負けないぞ』というのがあるので考え方のバランスが良くなっている」とプロの世界に日常を置く中で変化してきていることを喜んでいた。

 橋本は、元オランダ代表FWアリエン・ロッベン、元フランス代表FWフランク・リベリと言った世界的なドリブラーや欧州で奮闘する日本人MF堂安律、MF久保建英のプレーを見て学んでいる。特に久保については東京V・永井監督からも「オマエみたいな選手は持ったら、仕掛ける。久保建英みたいに」とアドバイスされてより意識。「(U-24日本代表の)アルゼンチン戦でも持ったら仕掛けていた。もっと自分の得意なところでアピールしていくことは久保選手から学んでいますね」と語っていた。

 今回のU-17日本代表候補合宿で各選手は、上の年代の代表チームへ「個人昇格」していくことを求められていた。橋本も先を見過ぎることなく努力を続け、チャンスを勝ち取る考え。「世界を見ると全然17、18、19で各国の代表に入っている選手ばかりなので、年齢とかじゃなくてもっと自分が成長しなければいけないと思っています」。16歳の注目レフティーは、才能を磨き続けて目標への階段を一歩一歩上り続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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