[10.30 関東大学L1部第22節 明治大1-2駒澤大]

　関東大学リーグ1部は30日に最終節を開催した。首位・明治大は3位・駒澤大に1-2で敗戦。優勝の可能性を残す首位・明大、2位・流通経済大、3位・駒大は、未消化試合で優勝を決することになる。

　明大は今節の勝利と、2位・流経大の敗戦で優勝が決定。まずは目の前の白星を目指すべく、ベストメンバーを並べる。GKは青嶋佑弥(4年=浜松開誠館高)で、4バックはDF岡庭愁人(4年=FC東京U-18/FC東京内定)、DF村上陽介(2年=大宮U18)、DF石井優輝(4年=昌平高)、DF丸山海大(2年=東福岡高)。中盤にMF田中克幸(2年=帝京長岡高)とMF西矢健人(4年=大阪桐蔭高)を起用し、右サイドはFW藤原悠汰(4年=広島皆実高)、左サイドはMF倉俣健(2年=前橋育英高)。前線にU-22日本代表から帰還したFW佐藤恵允(2年=実践学園高)、FW太田龍之介(2年=岡山U-18)を入れた。

　前期のリーグ戦では11年ぶりに明大を撃破した駒大。しかし直近の試合では、勝利から4試合遠ざかっており、起死回生の白星を狙った。GKは松本瞬(4年=前橋育英高)、3バックはDF小針宏太郎(2年=鹿島ユース)、DF猪俣主真(4年=三浦学苑高)、DF相澤佑哉(3年=熊本ユース)が並ぶ。ボランチ2枚はMF江崎巧朗(4年=ルーテル学院高/熊本内定)とMF宮崎龍飛(4年=駒澤大高)で、右WBはMF中村一貴(4年=駒澤大高)、左WBはMF桧山悠也(4年=市立船橋高)。前線3枚はMF荒木駿太(4年=長崎総科大附高/鳥栖内定)、FW土信田悠生(4年=高川学園高/熊本内定)、FW宮崎鴻(4年=前橋育英高)が起用された。

　序盤から攻勢を強める明大が、前半17分に先制。ボールが右サイドラインを割ると、岡庭がいち早くスローインでリスタート。相手の守備ラインの裏を走る佐藤が収め、PA右に入り込む。相手選手のプレスから体勢を保ちつつ、確実にゴールに流し込んだ。

　その後も明大は前半29分、佐藤が左サイドを突破。こぼれたところを倉俣がPA左まで持ち込み、右足シュートを放つ。GKに阻まれるが、攻撃の手を緩めなかった。しかし、そのまま前半を終えるかと思いきや、終了間際に失点を喫する。

　駒大は前半44分、同点に追いつく。右サイドで競り合い、明大の最終ラインでのバックパスを土信田がカット。右足シュートで決め切り、1-1と振り出しに戻した。

　後半からはイーブンな展開に戻ると、次にスコアを動かしたのは再び駒大。素早いパスワークで敵陣に入り込むと、相手の不用意なタッチを誘発。ボールは右サイドでフリーだった荒木に収まる。PA右から渾身の右足シュートをゴール左に突き刺し、2-1と逆転に成功した。

　追いつきたい明大は後半27分、左サイドでボールを持った藤原がカットインから右足シュート。しかし、GK松本にセーブされる。同31分にはPA手前に落とされたボールを、田中が左足で豪快なシュート。だがこれもGK松本にはじかれた。

　そのまま90分が終了し、駒大が2-1で勝ち点3を奪取。前期に続き、王者から二度も白星を奪ってみせた。一方、明大は駒大相手に連敗。他会場で流経大が敗れたため、勝利を収めていれば優勝が決定していたが、お預けとなった。

　明大の栗田大輔監督は「まあこんなもんですよ」と第一声。「2つ勝てば優勝だったので、あまりそこは意識していなかったです」と他会場の流経大戦は意識せず、勝利を狙ったが敗戦を喫した。「前半はすごくいいゲームをやっていたので、非常にもったいなかった」とミスで追いつかれたシーンに悔しさをにじませた。

　指揮官は「(駒大は)大のお得意さんだったんですけど、逆に今年はやられている」と今季リーグ戦での連敗を語る。「リーグ戦というのは、同じ相手に2回負けると優勝しない」というジンクスを明かしつつ、「だから、そのジンクスを打ち破るだけの練習を2週間でやる。(次戦の流経大は)今年一番強いチーム。もう切り替えるしかない。2週間で本当の意味で死に物狂いで鍛えないと、流経には勝てないんじゃないかと思います」とシーズン最終盤に向け、気を引き締めた。

　一方、駒大は勝ち点3を積み、未消化試合2つを残して首位・明大と勝ち点5差。上位2チームの勝敗に左右されるが、大逆転優勝の可能性を残した。キャプテンの猪俣は「やっぱり強かった。簡単に勝てる相手ではない」と明大を評価。「自分たちが強いとか、そういう気持ちはなくて、本当に細かいところで勝てている」と薄氷の勝利を噛みしめる。逆転優勝に向け、「可能性が見えてきた。安心しないで、まず次の試合で勝たないと意味がないので、一週間後に向けて準備して勝てるようにやっていきたい」と目を光らせていた。

(取材・文　石川祐介)

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●第95回関東大学L特集