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神戸・鈴木が弾丸FK!終盤の同点劇で無敗を守る(千葉vs神戸)

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[4・2 J1第4節 千葉1-1神戸 フクアリ]

 J1第4節は各地で全9試合を行い、フクダ電子アリーナでは千葉が神戸を迎え撃った。前半3分にDF斎藤大輔(33)がセットプレーのこぼれ球から先制点。その後も粘り強く守っていたが、後半43分に神戸のDF鈴木規郎(24)が強烈な直接FK弾を決め、試合は1-1で引き分けた。

 ここまで1分2敗で17位の千葉は初勝利を狙い、前節30日の川崎F戦から先発5人を入れ替えた。DF市原充喜、MF谷澤達也、MFフルゴビッチ、FWレイナウドの4人が今季リーグ戦初先発。4-4-2のシステムでDFは右から松本憲、斎藤、ボスナー、市原の4バックで、中盤は右が谷澤達也、左がフルゴビッチ、ボランチに中島浩司と下村東美が入った。2トップはレイナウドと巻誠一郎が組み、レイナウドが若干引き気味に位置した。
 一方の神戸はここまで2勝1分の無敗だが、前節30日の磐田戦でFWレアンドロが右鎖骨を骨折し長期離脱を余儀なくされた。代わって中盤のボッティが前線で大久保嘉人と2トップを形成。ボッティの位置には田中英雄が入って金南一とボランチを組み、今季初先発となった。その他は前節と代わらず、4バックは右から石櫃洋祐、北本久仁衛、柳川雅樹、内山俊彦と並び、中盤の右サイドはここまで3得点の栗原圭介、左サイドは古賀誠司が入った。

 試合は立ち上がりからいきなり動く。前半3分、フルゴビッチの左CKを神戸DFがクリアミス。こぼれ球を拾った斎藤がすかさず左足を振り切り、ゴール右隅に流し込む先制点を決めた。
 神戸はボッティをFWに置く形が機能しなかった。中盤でタメをつくってパスをさばくボッティが抜けたことでリズムをつくれない。ボッティが下がってきてパスを引き出しても今度は前線に人数が足りず、パスコースがない悪循環にはまった。
 迷いながらのプレーで球離れの遅い神戸に対し、千葉は速いプレスで囲い込み、ボールを奪う。狙い通りのショートカウンターからチャンスをつくった。前半32分には下村のサイドチェンジから左サイドでフルゴビッチ、中島とつなぎ、中島の左クロスに巻が頭で合わせる決定機も生まれたが、ヘディングはゴール上へ。前半37分にも中盤でフリーになったフルゴビッチが左足ミドルを放ったが、ゴール右へそれた。
 神戸も前半41分のボッティの浮き球パスから大久保がゴール前に走り込み、DFをかわして右足で狙う場面もあったが、シュートはミートせずGKにキャッチされた。思うように試合を運べない神戸。逆に千葉も試合を支配しながら追加点を奪えず、1-0での折り返しは不満の残る展開だった。
 神戸の松田浩監督はハーフタイムにボランチの田中に代えてFWの吉田孝行をピッチに送り込む。ボッティをいつものボランチに下げ、右MFにいた栗原がトップ下に移り、前線を右から吉田、大久保、古賀の3トップに変更した。
 ボランチに下がったボッティがパスをさばくことで徐々にリズムをつかむ神戸は後半4分にボッティが右サイドに展開し、古賀がつないで石櫃がクロス。DFがクリアしきれず、ファーサイドの大久保がフリーでシュートを打つが、ミートせず、ゴールの枠を捉えきれなかった。
 後半10分にも栗原のパスから抜け出した大久保が右足でミドルシュートを放つが、GKが正面でキャッチ。チャンスはつくるが、最後の精度を欠いた。
 千葉も押され気味になりながらもカウンターからチャンスをつかむ。特に左サイドのフルゴビッチは高い技術を生かしたキープ力でリズムをつくり、攻撃の起点になっていた。
 サイドバックも含めて攻勢に出る神戸と、粘り強い守備からカウンターを仕掛ける千葉の攻防は一進一退となった。緊迫した試合展開の最後を締めくくったのは途中出場の神戸・鈴木。後半43分、ゴールまで約35mの位置から左足で豪快に直接FKを叩き込み、土壇場で同点に持ち込んだ。
 神戸の執念がわずかに上回り、試合は1-1で終了。千葉はまたしても初勝利を逃し、神戸は無敗を守った。

(取材・文 西山紘平)

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