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[MOM786]桐蔭横浜大MF水野颯太(4年)_好調けん引!甲府内定発表翌日の一撃

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MF水野颯太

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 関東大学L1部第3節 順天堂大 0-2 桐蔭横浜大 保土ヶ谷]

 開幕節で流通経済大を相手に7得点の圧勝劇を演じた桐蔭横浜大だったが、続く第2節の駒澤大戦はシュート23本を浴びせながらスコアレスドロー。再度スタートダッシュを決めるためにも、この日のゲームでは何より、先制点が求められていた。

 そんな中でゴールネットを揺らしたのが、MF水野颯太(4年=常葉大橘高)だった。前日の8日にヴァンフォーレ甲府への入団内定を発表した背番号10は前半8分、相手バックラインの横パスを鋭いチェックで奪った水野は巧みなフェイントで相手を外して右足でゴールに流し込む。「あそこは守備のところで前から行こうとなっていた。ゴールに繋がってよかった」。このゴールで戦いに余裕の出た桐蔭横浜大は、後半33分にもFW山田新(4年=川崎U-18)のゴールで加点。守っても3試合連続無失点と好守が噛み合い、今季2勝目を挙げた。

「駒澤戦は無得点だったので、まずは点を決めようと。前線の選手みんなが思っていたと思うので、取れたのはよかったです。守備も毎試合ゼロで行こうという気持ちでやっています。今日もミーティングから、無失点を意識していたし、開幕から継続出来ているのは素晴らしいと思います」

 大学屈指の突破力に守備力兼ね備えた万能アタッカーが、早くも進路を決めた。昨年度からレギュラー格として試合に出場する水野は、1部リーグで20試合4ゴールを記録。安武亨監督も「去年の陰のけん引者」と認めるほどで、今季より10番を与えてより自覚を持たせている。武器は自他ともに認める「突破力」で、指揮官も「去年も彼の所に入ってから攻撃が始まることが多かった。必ずクロスが入ってくるし、一人でも打開できる」と全幅の信頼を寄せている。

 オフには甲府のキャンプに、チームメイトのFW山田新(4年=川崎U-18)とともに参加。プロのレベルの高さに驚きはあったが、自分の武器が通用したことが何よりの自信になった。首脳陣からも「吸収するのが早い」と高評価を貰ったといい、獲得オファーに繋げた。

「大学でいろんなことを成長できた。それが結果に結びついたと思うので、大学に来てよかった。一番成長したのは、甲府でも評価していただけた守備の部分。そこが入学当初に比べたら成長したなと思います」

 関東選抜Aの一員として参加したデンソーカップチャレンジでもゴールやアシストを記録するなど、大学屈指のアタッカーであることを証明。大学リーグが始まっても3試合で2ゴール1アシストと好調な滑り出しをみせている。

 早くも2人がJリーグ入りを内定させるなど、今季の桐蔭横浜大は戦力の充実が目立つ。これまでの同大は19年度の2位が最高。それを上回る歴史を築くことが、今年のチームには期待されている。水野も「今年は優勝を掲げてやっている」とキッパリと話すと、「(個人としても)10ゴール10アシストを決める勢いでいきたい」と中心選手としての自覚を十分にした。

(取材・文 児玉幸洋)
●第96回関東大学L特集

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