beacon

高知が会心の3-0勝利!インハイでまず1勝、そして最高成績の8強へ

このエントリーをはてなブックマークに追加

高知高が会心の勝利でインターハイ出場を決めた

[5.23 インターハイ高知県予選決勝 高知高 3-0 高知中央高 春野総合運動公園球技場]

 令和4年度全国高校総体(インターハイ)「躍動の青い力 四国総体 2022」男子サッカー競技高知県予選は23日に決勝戦を行った。高知高高知中央高が対戦し、MF尼崎幸誠(3年)の先制点を皮切りに3得点を奪った高知が3-0で快勝。2大会ぶり16回目の全国大会出場を決めた。

 プリンスリーグ四国で暫定4位につける高知だが、ここまでの戦いは決して満足の行く内容と言い難い。チャンスを作りながらも、決定力不足に悩まされていることがその理由。5バックで打倒・高知を狙う相手に苦しみ、準々決勝と準決勝は僅差での勝利となった。

 だが、この日の出来はこれまでと大きく違った。「久々に気持ち良く終われた試合でした」と笑みを浮かべるのは大坪裕典監督。主将のFW角田颯磨(3年)も「チームとしての自信に繋げて全国に行ける」と続けるほど、会心の出来で全国行きの切符を掴んだ。

 快勝の要因の一つは、これまでの相手とは違い、高知中央が引かずに前から真っ向勝負を挑んできた事。DF森紺(2年)は、「今日は初めてDF陣が4枚で来てくれたので、僕らとしてはやりやすかった」と振り返る。

 もう一つは、守備の狙い所をチーム全員で意識できたことだ。準決勝で高知中央のキーとなったアンカーのMF片山良雅(3年)にボールを入れさせないよう前線からの守備を徹底。苦し紛れに相手が長いボールを蹴れば、DF橋本拓実(3年)と森のCBコンビを中心にしっかりと弾き返す。中盤でのセカンドボールも効果的に拾って、持ち味であるカウンターを繰り出した。

 前半4分には高い位置でセカンドボールを拾ったMF南部翔太(3年)のスルーパスから、FW村田楓芽(3年)がゴール前を抜け出したが、並走した相手DFがブロック。20分には右サイドでボールを奪ったMF松井貫太(2年)がドリブルからゴール前にクロスを入れ、角田が懸命に足を伸ばしたが、わずかに合わない。

 得点こそ生まれなかったが、以降も良い守備から良い攻撃への移行を続けると、32分に均衡を崩す。中盤でボールを拾った南部から角田へと繋ぎ、右サイドに展開。走り込んだDF西本翔馬(3年)が上げた低いクロスをファーから中に絞った尼崎が合わせ、ゴールネットを揺らした。

 先制点を許した高知中央も、このままでは終われない。「思っていた以上に前日(準決勝)の疲労が残っていた」(近藤健一朗監督)ため、思い通りに自陣から攻撃を組み立てられなかったが、テクニカルなMF鎌倉陸(3年)やFW和氣有祐(3年)の持ち運びや、奪ってからのカウンターで一発を狙った。

 後半4分に見せ場を作ったのは、前線で力強いプレーを続けたFW高城有陽(3年)。自陣からのパスを左に開いて受けると、すぐさまゴール前へパス。反応したFW小林涼晟(3年)が切り返しから、ゴールを狙ったが、GKに阻まれた。

 後半10分には、ピンチを凌いだ高知に再びチャンスが訪れる。松井が蹴り込んだFKのこぼれ球を森が押し込み、2点目をマーク。29分には、前方でボールを収めた角田からMF神谷昂成(3年)へボールが渡ると、ドリブルから見事なミドルシュートを叩き込み、3-0で試合を終えた。

 昨年度の選手権に続き、2大会連続で全国大会出場を掴んだ価値は大きい。選手権では堀越高(東京A)に敗れて初戦敗退に終わっため、まずは初戦突破が目標。だが、選手たちは1986年度の選手権で記録したチーム最高成績のベスト8進出を目指している。

 今大会4試合を無失点で抑え、決勝では課題である決定力不足を解消できたことで、全国へ弾みがつくのは間違いない。「全国でも失点をゼロで抑えていきたい。今までやってきたサッカーを全国でも貫きたい」と意気込むのは森だ。この日と同じく高知らしさを発揮できれば、目標達成も不可能ではない。

(取材・文 森田将義)
●【特設】高校総体2022

TOP