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[W杯予選]病み上がりの大久保が値千金の追加点「超緊張した」

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[6.2 W杯アジア3次予選 日本3-0オマーン 日産ス]

 FW大久保嘉人(25=神戸)が、病み上がりを感じさせないハッスルプレーを見せ、貴重な追加点も決めた。シャドーストライカー気味のトップ下に入ると、試合開始から「自分から心拍数を上げていこうと思っていた」と全力でピッチを駆け回った。
 1-0の前半22分にはMF中村俊輔(セルティック)のロングフィードを前線に駆け上がっていたDF田中マルクス闘莉王(浦和)が頭で落としたところに走り込み、右足ダイレクトでゴール左隅に叩き込んだ。「闘莉王だったら絶対に(パスが)落ちてくると思っていた。超緊張したけど、とにかく枠に飛ばそうと」。早い時間帯での追加点。これでチームがぐっと楽になった。
 中村俊、闘莉王、大久保のイメージが見事に合致した美しいゴールだった。中村俊も「ちらっと見たとき、闘莉王が上がっていた。それは使った方がいいし、見てあげないともったいない。大久保も連動していたから。オレのボールがいいとかじゃなくて、3人で連動して決まったゴールだったからよかった」と納得の表情だった。
 5月27日のキリン杯・パラグアイ戦後、へんとう線を腫らし、一時は39度の高熱も出た大久保。「点滴も今年から厳しくなったし、薬を飲むのも嫌で。とにかくずっと寝てた。あんなに寝れるもんなんだなっていうぐらい」。試合2日前の31日に練習に合流したが「コンディションは100%じゃなかった。2回しか練習もやっていないし」と認める。最初からフル出場する考えもなかった。
 「90分は無理っす。今日は無理だった。頼むから交代出してくれって。あそこで限界だった」。限られた時間の中で最高の結果を出し、3月26日のバーレーン戦(0-1)の悪夢を振り払う快勝劇に貢献した。「いい形でアウェーにいける」。相手は主力の大半を欠く構成だったとはいえ、7日のオマーン戦、14日のタイ戦と続くアウェー2連戦に弾みがついたのは間違いない。

(取材・文 西山紘平)

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