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リベロ・闘莉王で惨敗、浦和は首位守れず(浦和vs川崎F)

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[7.21 J1第18節 浦和1-3川崎F 埼玉]

 浦和レッズがまたも首位から陥落した。ホームでの川崎F戦に1-3の逆転負け。DF阿部勇樹、DF堀之内聖という3バックのレギュラー2人を欠いた影響で、DF田中マルクス闘莉王が3月8日の横浜FMとの開幕戦以来のリベロに戻った。だが、闘莉王を欠いた中盤は展開力を欠き、中盤と前線に連動性がなくなった。
 前半7分、MF鈴木啓太のスルーパスからFW高原直泰が4月26日の京都戦以来、10試合ぶりのゴールを決めて先制したが、序盤の勢いがなくなり、川崎Fが徐々に対応し出すと、あとは防戦一方となった。
 高原は「出足は良かったけど、あのサッカーを90分間やり続けるのは無理。1-0で勝っていたし、もっと試合をコントロールしたかった」と試合運びに苦言を呈した。結局、川崎Fの反撃に耐えきれず、前半27分にセットプレーの流れで同点ゴールを許した。
 後半10分にFW永井雄一郎が途中出場してからは永井が精力的に動いてボールを引き出し、リズムをつかみかけていた。後半18分には闘莉王のヘディングがポストを直撃する決定機もあった。
 ところが後半21分、まさに天国から地獄に突き落とされた。CKのチャンスで闘莉王、高原と立て続けに決定的なシュートを放ったが、川崎Fの気迫のディフェンスに阻まれる。高原のシュートの場面ではMF谷口博之が手ではたいていたようにも見えたが、浦和の選手がハンドをアピールしている間に電光石火のカウンターを浴び、勝ち越し点を許した。これで集中力が切れたか、その2分後にも闘莉王が不用意な位置でボールを奪われ、決定的な3失点目を喫した。
 ゲルト・エンゲルス監督は「我々のセットプレーから相手のカウンターでやられるのは良くない。(選手は相手のハンドだと)レフリーに文句を言ったり、ラインズマンにアピールしていたが、しっかり切り替えてカウンターを抑えないといけない」と指摘した。守備陣が川崎Fのカウンターを一度は遅らせながら、他の選手の戻りが遅かったため、数的優位の状況をつくれず、結局、押し切られた。
 高原は「手に当たったかなとは思ったけど、笛は鳴らなかったわけだし、結果的に失点につながっている。もっと集中しないといけないし、笛が鳴るまでプレーを続けないといけない」と自戒を込めて語った。
 次節は27日、首位を明け渡した鹿島と対戦する。勝ち点差は2。勝てば、また首位に返り咲ける。「次が大一番」。闘莉王の言葉にも自然と力が込もった。今シーズンの優勝争いを大きく左右する注目の一戦となりそうだ。

(取材・文 西山紘平)

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