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結局は欧州組頼みの攻撃、岡田監督「欧州組入れば変わる」

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[9.1 練習試合 日本代表0-1流通経済大]

 大学生を相手に60分間ノーゴール。決定力不足以前に、チャンスメイクすらできなかった。1本目13分、MF田中達也(浦和)の右足ミドルが大きくゴール上に外れたのが代表の初シュート。同16分にはDF阿部勇樹(浦和)の絶妙なフィードから田中達が左サイドを抜け出し、ゴール前のFW大黒将志(東京V)にクロスを送ったが、大黒の力弱いシュートはDFに阻まれた。
 PA内でボールを持ったMF玉田圭司(名古屋)がシュートを打てず、もたついている間にDFに奪われてカウンターを招くピンチもあった。2日間の練習ではサイドから崩す形を再三繰り返していながら、サイドからいい形でボールが入る場面はほとんど見られず。1本目26分にはMF今野泰幸(F東京)の左クロスから大黒が左足ボレーで狙ったが、体勢が崩れ、シュートはミートできなかった。
 最大の決定機は2本目28分。DF内田篤人(鹿島)の右CKに今野が頭で合わせたが、クロスバーを直撃。跳ね返りをFW巻誠一郎(千葉)がヘディングで狙ったが、ゴールライン上のDFにクリアされた。惜しいチャンスだったが、やはりセットプレーからつかんだ形だった。
 大黒や玉田が起点となれず、ボールの落ち着きどころがなかった。岡田武史監督が「シンプルなボール回しからの早い攻撃というのができなかった」と指摘したように、ショートパスが2本、3本とつながってゴール前に迫るシーンは皆無。単調なロングボールを放り込んでは、長身の相手DF陣に簡単にはね返された。
 玉田は「攻撃も単調になった。みんな守備のことを考えすぎて、攻撃で空回りしていた」と反省した。いい形でボールを奪えないため、攻撃にリズムが生まれなかった。悪守備が攻撃に影響していた。
 MF遠藤保仁(G大阪)は「日本の最大の武器はボールを回して相手を崩すところ。そこを信じてやれば。自分たちのやるべきことをしっかりやれるようにいい準備をしていきたい」と力を込め、FW巻誠一郎(千葉)も「今から違うことをやろうとしても難しい。改善できるところはあるし、僕らのサッカーを信じながらやるしかない」と悲壮感すら漂わせた。
 「欧州組が入れば変わるのか?」という報道陣からの質問に岡田監督は「攻撃は変わると思う」と答えた。結局はMF中村俊輔(セルティック)ら欧州組の個人技頼みなのか。ウイルス感染症から復帰したばかりの遠藤のコンディションが戻り切っていないのは確か。指揮官は「中盤の人数が足りないからFWの選手に中盤をやってもらったから」と言い訳も口にしたが、俊輔がいなければチームにならないのであれば、監督としての力量を問われてもおかしくはない。

(取材・文 西山紘平)

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