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千葉、愛するサポーターの前で2得点結果残す(千葉vs東京V)

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[9.14 J1第24節 千葉2-0東京V フクアリ]

 14日、J1第24節の残り2試合が行われ、フクダ電子アリーナでは17位と低迷中のジェフユナイテッド千葉と11位の東京ヴェルディが対戦した。試合は、後半4分に巻誠一郎が先制点をあげると、後半23分には深井正樹が追加点を奪い、千葉が2-0で逃げ切った。

 一刻も早くJ2降格圏内脱出を図りたい千葉は4-2-3-1の布陣で戦いに臨んだ。GKは岡本昌弘、DFは右から坂本將貴、池田昇平、ボスナー、青木良太。中盤の底の位置には下村東美、戸田和幸、右の攻撃的MFには深井、中には新居辰基、左には谷澤達也を配し、巻誠一郎が1トップを張った。一方、前節で浦和レッズをあと一歩のところまで追い詰めた東京Vは中盤ボックス型の4-4-2の布陣。GKは土肥洋一。DFは右から和田拓三、土屋征夫、萩村滋則、服部年宏。中盤は、ボランチに那須大亮、右サイドにレアンドロ、左サイドに柴崎晃誠、トップ下にはディエゴを入れ、2トップは右に大黒、左に飯尾一慶が入った。

 試合は序盤から東京Vがボールをキープし優位に試合を進めた。東京Vは那須や柴崎を基点にしてサイドや前線に落ち着いて配球。前目のポジションでは大黒、ディエゴ、飯尾らが連携をとり素早いパス回しで千葉をかく乱し、得点チャンスを伺った。しかし、東京Vは千葉の必死のDFの前にチャンスを潰され続けた。一方、中盤で相手にボールをもたれ劣勢に立たされた千葉は、ボールを持っても攻め手を欠いた。ゆっくりとしたパス回しで機会を伺うものの、意図が見えない攻撃にチームの連動性が出ない。中盤でもタメが作れずに、縦パスを前線に送るなど単調な展開が続いた。
 試合は熱を帯びてきたのは前半15分過ぎ。前半20分には、ディエゴがPA前で倒されFKを得た。ディエゴ自らがゴール前にクロスを放り込むとジャンプした大黒の頭にドンピシャリ。大黒の強烈なヘディングシュートは惜しくもクロスバーを直撃し、東京Vは決定的なチャンスを逃した。その直後、千葉も反撃とばかりに攻め込む。左サイドからPAに進入した谷澤が思い切りの良いシュート。ボールはゴールマウスの上をすり抜けた。東京Vはその後も試合を支配した。中央付近ではディエゴ、大黒、飯尾の連携プレー。サイドでも左の服部や右のレアンドロに上手く展開。東京Vはピッチを広く使った攻撃でチャンスを作った。前半30分には、中央のディエゴが左サイドの服部に配球すると、服部がゴール前の大黒にパス、体勢的にシュートが厳しいと判断した大黒は後ろの飯尾に繋ぎ、飯尾がフィニッシュ。シュートはGK岡本の好セーブに阻まれたが良い攻めを見せファンを魅了した。直後の32分にも、FKからディエゴがクロスを入れDF弾かれた球を大黒オーバーヘッドシュート。枠上にそらし、東京Vは数あるチャンスを得点に繋げられなかった。千葉は真っ黄色の大声援の中、劣勢に立たされる厳しい時間が続きながらも何とか0-0で前半を折り返した。

 後半4分、試合を動かしたのは千葉だった。戸田と替わり後半から途中出場の工藤浩平が右サイドからクロスを入れると、勢い良く走りこんできた巻が滑り込みに近いダイビングヘッド一閃。ゴール右のサイドネットに貴重な先制点を叩き込んだ。先制点を奪った千葉は後半15分に新居をレイナウドに替え、追加点を奪いに出る。千葉は前半よりも攻撃に厚みを増し展開がリズミカルになった。左サイドでは、オーバーラップした青木良が谷澤を追い越しパスを受けるなど前への厚みが出た。後半20分、谷澤が左サイドから絶妙のクロスをPAに放り込んだ。そこに巻が飛び込むとDF荻村が堪らず巻のユニフォームを引っ張り、PA内で痛恨のイエローカード。このPKを深井が落ち着いてゴール左上に叩き込み、千葉は2-0とリードした。その直後の24分、東京Vの荻村がまたしてもイエローカードを受け累積で退場すると、スタジアムは俄然千葉モード。千葉は下村、谷澤、深井らを中心にキープし攻め込み、一方東京Vはカウンターを仕掛ける展開が続いた。前半と逆のような展開になる中、東京Vはレアンドロを廣山望に、飯尾を福田健介に、大黒を平本一樹に立て続けに替え、状況の打開を図った。東京Vは試合終了直前、集中的に千葉ゴールを脅かしはしたものの、千葉の必死の守備の前にゴールをこじ開けることは出来ず、そのまま零封された。
 2-0。J2降格圏内から脱したい千葉にとって、ホームのファンの前での勝ち点3は何事にも替えられないほど貴重なもの。この自信と勢いを胸に、今後も勝ち続けたい。

(取材・文 山口雄人)

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