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巻・深井、駒大時代の戦友が揃って2発!!(千葉vs東京V)

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[9.14 J1第24節 千葉2-0東京V フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉がFW巻誠一郎(28)と、この試合から新加入したMF深井正樹(28)の2発で東京ヴェルディを下し、熱いサポーターの前でJ1残留を誓った。
 この日の試合前、「残留」と大きく書かれた横断幕がフクダ電子アリーナに初お目見え。横断幕には、J1残留に対するファンの強い想いが寄せ書きされていた。「Win By All」。このスローガンを掲げチームを後押ししたファンの期待に、巻と深井がゴールで応えた。「あれだけ熱いサポーターの声援をもらったら恥ずかしいゲームはできなかった」。試合後、安堵した表情で巻はそう振り返った。
 巻と深井は駒沢大サッカー部出身で、当時2トップを張った戦友。そんな2人が同じチームで再び戦うことになった東京V戦、揃い踏みで互いにゴールを上げた。後半4分、途中出場の右サイド工藤浩平から上がったクロスに飛び込んだ巻がダイビングへッドで先制点。後半20分、谷澤が左サイドから絶妙のクロスをPAに放り込むと、再び巻が飛び込む。するとDF荻村が堪らず巻のユニフォームを引っ張り、PA内で痛恨のイエローカード。PKを得た千葉だったが、ここでPKを蹴ったのは加入したての深井だった。「あそこは自分に蹴らせて下さい、俺が行きますと自らアピールしました」。深井はチームに貢献し、信頼を勝ち取るために自分からすすんでキッカーに立候補した。「プロ入りしてからPKを蹴ったのは初めて」と話した深井だったが、初めてとは思えないほど躊躇ないシュートを放ち、ゴール左上に叩き込んだ。大学時代は、深井がPAでファイルを誘い、そのPKを巻が決めるケースが多かったというが、この試合は正に逆のケースとなった。「自分が蹴ると言った割にはプレッシャーが大きかったです。でもゴール裏にサポーターがいてくれたから心強かった」と、深井はこの得点をファンに感謝した。
 この2人の得点にファンは熱狂し、試合後も「Win By All」と叫び続けた。「何かすごく感慨深かったんです。2得点を入れた後に電光掲示板を見たら、巻、深井と得点者の名前が出ていた。あれを見た時はさすがにねぇ」。巻は、旧友と紡いだ得点を嬉しそうに、しかし恥ずかしそうに語った。
 次は前回ホームで負けているコンサドーレ札幌との一戦。J1残留に向けたこれからの戦い。鍵を握るのは巻と深井の駒大コンビかもしれない。

(取材・文 山口雄人)

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