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千葉vs東京V 試合後の監督コメント

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[9.14 J1第24節 千葉2-0東京V フクアリ]

 14日、J1第24節の残り2試合が行われ、フクダ電子アリーナでは17位と低迷中のジェフユナイテッド千葉と11位の東京ヴェルディが対戦した。試合は、後半4分に巻誠一郎が先制点をあげると、後半23分には深井正樹が追加点を奪い、千葉が2-0で逃げ切った。
 以下、試合後の監督コメント

<ジェフユナイテッド千葉>
●アレックス・ミラー監督
―試合の感想は?
「勝点3が取れて素晴らしい。今日はホームでやるということで非常に重要な日だったし、前回のホームでの試合(第22節川崎フロンターレ戦)は負けてしまったので、今日は非常に勝利が必要な面もあったし、実際に重要な勝利になったと思う。前半はパスがつながらず、このリーグを戦っていくレベルに達していない状態だったが、後半に入って相手にもっとプレッシャーをかけるようになった。そして、相手のキープレーヤーにプレッシャーをかけることもできたし、前に供給されるボールも止めることができるようになった。そういった面で、今日はよくできたのではないか。無失点に抑えられたことも重要だ。やはりリーグで勝ち上がっていくためには、無失点で抑えることが重要だし、前回の川崎F戦ではディフェンスラインの裏にボールを出されて、悪い失点の仕方をしてしまったというのがあった。だが、今日に関しては相手の突破もしっかりと止められたし、プレスもサイドでもしっかりいくことができた。それから深井だが、(巻が)PKをもらって深井がゴールを決めて、それによってチームに馴染むこともできたし、自信を持ってこれからどんどんやっていけるのではないか。彼がうちにフィットしたら、いい結果になった」

―今日の試合で非常にうまくいった点は心理マネジメントではないかと思うが、その重要性について?
「最初に心理学的なことを聞かれたが、そういったことよりもやはりサッカーに重要なことは、選手も一人ひとりがしっかりと考えながらやることだ。例えば、相手の戦術がなんであろうと、もしもここの選手に誰も付けていなかったら、そこに付きに行かなければならない。監督が何を言おうと、そういったところをしっかりと対応しに行かなければならない。誰がゲームの中で影響力を持っているのかを考えながら、そこに対してどうしたらいいのかを考えながらやらなければいけない。そうった意味で、前半の真ん中のエリアはやられている面があって、そこは自分たちで考えてやらないといけないという話もしたし、あとは2人のサイドの選手がちょっとサイドに開きすぎていたというのもあったので、そこで本当はもっと外か内側に出ていかなければならないという面もあった。後半はそこを修正できたが、前半は外側から内側に帰ってくるという面があったので、苦しんだ面もある。あともう一つ重要なのはFWの選手の突破の動き。FWの選手が前に突破する動きをしたことによって、相手のディフェンスが少し間延びをして、その空いたスペースを使うことができた。そこで工藤がプレスして、うまくいくことができた。深井、谷澤、巻、新居、後半からレイナウドが出てきたが、裏に抜けようとする動きが出ることによって、相手のディフェンスを間延びさせることができて、そのスペースを工藤がしっかり使えるようになった。工藤が今日の試合で非常に重要な役割をしてくれたと思っている」

―巻と深井のプレーについての評価は?。
「深井についてはまだチームに溶け込むまでに少し時間がかかるかもしれない。今まで10日間ぐらいうちのチームで練習してきたが、その中で違った戦術うちのパターンプレーはどうやっているかということを少しずつ学びながらやっていると思う。巻については、彼の身体的な強さは必要だし、そういったものを生かしてよくやってくれていると思う。前にも言ったが、巻は日本代表の試合に行って帰ってきて、今日の後半は足がつっていたが、体力的に疲れていたのかなと思う。やはり自分がもしも代表の監督だったら、勝点3のことしか考えない。そのためにすることをするだけだし、そのことを考えて集中してやっていると思う。巻は、前半の動きはあまり良くなかったが、後半に関しては一つひとつ闘って向かってくれたのではないかと思う。今日、重要だったことは勝点3をしっかり取ったことと、来週の試合に向けてはミシェウが復帰してくれればいいと思っている。うちのチームの怪我人が少なくなるということもあるし」

―前半の途中で巻選手がベンチから指示を受けていたが、それはサイドが開きすぎているということか?
「巻が言っていたことというのは、相手のセンターバックがボールを持ってしまって、うまくプレスがかけられないから、もう少し後ろを上げてくれという話をした。私が言ったことは、自分の仕事をしっかりしろ。自分がしっかりチェイスすれば、周りの選手もついてきて、周りの選手もしっかりプレスをかけに来ることになる。もしも巻が自分の仕事をやっていて、周りの選手がやっていないのだったら、やはり監督だろうとコーチだろうと誰であろうと、なんで行かないんだと言えるから、前からしっかりプレスをかけに行こうという話をしていた。そこでしっかりプレスをかけに行けなかったことによって、相手にフリーでボールを持たれてしまって、その後相手はうまく自分たちのパターンに入れてサイドにボールを出して、そこからクロスボールを入れようということをやられてしまった。その点を修正したかったので、それを言った。前半は後ろに下がってしまったことで、そこでボールを取ってから時間がかかってしまって、攻撃がうまくいかなかった。そこは後半では中盤の高い位置でボールを奪って、そこから突破の動きをしだしたり、そこからまたパスを出したり、クロスを上げたりして、もっとよい攻撃の形が作れたと思う」

―後半は戸田に代えて工藤を入れたが、前半の戸田選手は決して悪い動きではなかったと思う。それは予定通りの交代だったのか?
「そうではない。前半はやはり勝つためのチームを作ったが、それで前半の動きを見ても、このチームでは勝てないと思ったので、工藤を入れて勝つためのチームを作った。まず選手はそういったことを受け入れてくれた。なぜならば、前に選手に話をした時に今はエゴを捨てろと言ったし、チームとして成功を収めないと、個々としても成功は収められない。個では何も勝てないという話をし、チームとしてしっかりやろうという話をしたので、選手はそれを素直に受け入れてくれたと思う」


<東京ヴェルディ>
●柱谷哲ニ監督
―試合の感想は?
「前半はうちのペースで、そこで点を取れなかったのが今日の反省点だと思います。後半立ち上がりにうまく突破されて、そこで相手が少し余裕を持ったかなと。退場者が出てPKを取られて、1点を返す努力をしましたが、なかなかできませんでした」

―レアンドロには組織プレーをどうやって指導しているのですか。
「トレーニングでやってきました。単に彼がどんな気持ちでサッカーをやるかというのが大事だと思います。ですが、福西が出場停止、富澤がけが、菅原もけがということで、とにかく人がいない。その中での今日のゲームだったのでとても難しかったと思います。 レアンドロ一人の問題では僕はないと思います。全体的なバランスの問題で、前半悪くはなかった。後半、彼(レアンドロ)は臀部に痛みを持っていて、どうしようかと思ったのですが、本人の意思を尊重して使いました。彼自身、やれることとやれないことが5分ごとに変わっていくような部分があるのですが、とにかく廣山しかり、そこでのパワー、選手のクオリティを考えたときにレアンドロのほうが優先順位が高くなってきます。我々は勝たなければならないので、やれることを見てしまう。バランスを取れるようにということで、先週から彼と話をしてフィジカルを上げてやってきました。前半については悪くなかったと思います」

―後半失点して、焦って雑な面が出たのではないですか?
「工藤が入ってきたことによって、少し前掛かりにプレスをかけてきたというのと、向こうの中盤のところで、中盤で工藤は技術があるのでゲームを作られてしまったという感じを持っています。 我々としては点を取られたけれど1点は返せるという計算があったのですが、退場者が出てしまったところで非常に難しくなりました。でも今日は全体的に最初から難しいゲームになると思っていました。層の薄い我々にとってみると3人もの選手がゲームに出られないとなると、大きな問題だったと思っています。でも選手たちは90分、最後まであきらめずにやってくれました。これについてはとても感謝しています。次の大分戦、負けていない大分なので、なんとか土をつけたいと思っています」

(取材・文 山口雄人)

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