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憲剛がFK弾でゆりかごダンス、川崎Fが柏に5発大勝

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[9.27 J1第27節 柏2-5川崎F 国立]

 J1第27節は各地で4試合を行い、国立競技場では柏レイソルと川崎Fフロンターレが対戦。川崎FはFW鄭大世の2得点、MF中村憲剛の直接FKなどで5-2と大勝し、4試合ぶりの勝利を飾った。

 8試合勝利のない柏は4-4-2の布陣で、GK菅野孝憲、4バックは右から藏川洋平、鎌田次郎、小林祐三、大谷秀和と並び、出場停止の古賀正紘の代役には鎌田が入った。中盤は栗澤僚一と山根巌がダブルボランチを組み、右に太田圭輔、左にアレックス。前線はポポとフランサの2トップだった。
 4-3-3の川崎FはGK川島永嗣、4バックは右から井川祐輔、寺田周平、伊藤宏樹、山岸智と並び、寺田が8試合ぶりに復帰した。中盤は中村憲剛と谷口博之のダブルボランチ、トップ下にヴィトール・ジュニオール。3トップはレナチーニョ、鄭大世、ジュニーニョで、レナチーニョが初先発を飾った。

 開始22秒、いきなりゲームが動く。鄭がDFに囲まれながら強引に突破し、ゴール前に抜け出すと冷静に左足を振り抜き、ゴール右に流し込んだ。開始早々に先制した川崎Fは前半10分にもカウンターからジュニーニョが持ち込み、左サイドを駆け上がったレナチーニョにパス。しかし、レナチーニョのシュートはゴール左に外れ、追加点のチャンスを逃した。
 出鼻をくじかれた柏だが、フランサの抜群のキープ力からポポが背後に飛び出してチャンスをつくるなど徐々にボール支配率を高める。だが、1点をリードし、守ってカウンターという狙いをはっきりさせてきた川崎Fの強固な守備を崩すことができない。
 逆に川崎Fは中村が正確なフィードでスピードのあるジュニーニョやレナチーニョをスペースに走らせ、ハイボールの競り合いでは鄭が体を張ってボールを落とすなどリズム良く試合を進める。古賀を欠く柏のDFラインは相手の圧力に耐え切れず、徐々にほころびが大きくなっていった。
 前半32分にはレナチーニョが高い位置でボールを奪ってジュニーニョにつなぐと、ジュニーニョのシュートはDFに当たってゴール前に浮いたが、素早く走り込んだ鄭が頭で押し込んだ。5分後の37分には中村が直接FKを叩き込み、3-0。25日に第1子となる長男が誕生したばかりの中村は自ら祝砲を決め、自陣ベンチ前でチームメイトとゆりかごダンスを披露した。
 前半42分にはレナチーニョのJ初ゴールも飛び出した川崎F。4-0と大量リードを奪い、前半を折り返した。

 柏はハーフタイムに栗澤を下げ、MF菅沼実を投入。攻撃に人数をかけ、反撃に出るが、川崎Fもカウンターからチャンスを量産する。後半2分にはジュニーニョが抜け出し、GKと1対1になったが、シュートはGK菅野が体を張って防いだ。その直後、ヴィトール・ジュニールの左クロスに合わせた鄭のヘディングシュートがゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定で、幻のハットトリックとなった。
 後半9分、フランサのトリッキーなパスに太田がゴール前に突っ込むと、こぼれ球を菅沼が頭で押し込み、柏が1点を返す。さらに後半18分にはボールを奪ったポポが左サイドを独走。マイナス気味に折り返すと、右サイドバックの藏川が一気に駆け上がり、PA内のフランサにつなぐ。フランサが右に展開し、太田が低いクロスを入れると、寺田のクリアミスを藏川が押し込み、2-4と2点差に迫った。
 柏の猛攻が続くが、川崎Fもカウンターからダメを押すチャンスはつくった。後半29分にはヴィト-ル・ジュニオールが右サイドを抜け出すが、シュートは枠を捉えきれない。同30分には途中出場のFW黒津勝が左サイドを突破し、中央の鄭に折り返すが、DFが体を張ってクリアした。
 柏も後半32分、フランサのサイドチェンジから太田が左足でミドルシュートを放ったが、ゴール上に外れた。同42分にも藏川の右クロスからこぼれ球をポポが左足で狙うもシュートミスで決定機を生かせない。
 逆に川崎Fは後半44分、中村のロングフィードにジュニーニョがスペースへ走り込むと、PA外まで飛び出してきたGK菅野がヘディングでクリアしようとするが、ジャンプした頭はボールに届かず、まさかの空振り。ジュニーニョは落ち着いて無人のゴールに右足で蹴り込み、エースの11試合ぶりゴールで5-2として圧勝劇を締めくくった。まさかの惨敗を喫した柏はこれで9試合連続白星なし(4分5敗)となった。

(取材・文 西山紘平)

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