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[全日本ユース選手権]史上初の決勝ハット!浦和・山田が優勝&得点王の2冠達成

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[10.13 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権決勝 浦和ユース9-1名古屋U18 埼玉]

 ド派手なゴールラッシュの中でひと際存在感を放った。浦和ユースのMF山田直輝(18)が決勝では史上初となるハットトリックを達成。大会通算8得点で得点王に輝いた。前半4分、強烈な右足ミドルで歴史的大勝の口火を切ると、7-1と大量リードを広げた後半31分にFW原口元気(17)の左クロスに滑り込みながら右足で押し込む。この日2得点目を決め、FW真野亮二(東京Vユース)に並んで得点ランキングトップタイに立つと、試合終盤はトップ下からFWにポジションを上げた。

 「FWに行け、点を取れっていう指示で、前に出してくれた。ゴールに近い位置でプレーしてゴールを決めろって」。あと1点取ればハットトリック、そして得点王獲得。「試合前に2点取れば(得点王に)並ぶことは知っていた」と山田が話したように、チームメイトも堀孝史監督も山田に得点王を獲らせようと後押ししたのは間違いない。「言葉ではなかったけど、そういう感じだった。FWはやったことなかったけど、いつもと変わらない感じでできた」。仲間の期待に応えたのは後半ロスタイム。PA内左サイドに進入したMF高橋峻希(18)のフワリとしたクロスを右足ダイレクトボレーでゴールネットに突き刺し、決勝ハット&得点王の“ダブル快挙”を成し遂げた。

 11日の準決勝後「見ている人の心を動かせるプレーしたい」と言った。宣言通りのゴールラッシュだったが、何もゴールだけに限ったことではない。「一番考えているのは最後まで走ること。どんなに大差が付いても前からプレッシャーをかけて、ボールが取れそうならスライディングする」。華麗なテクニックより、ガムシャラにピッチを駆ける姿を見せたい。「考えなくても、それは体に染みついている。体が勝手に反応する」。後半ロスタイムにハットトリックが達成できたのも、最後の最後まで走り抜いたからに他ならない。

 すでに4月26日のJリーグ京都戦(4-0)でトップデビューも果たした逸材だ。「Jユース杯もあるし、トップでチャンスがあるかもしれない。ひとつひとつ目標を見つけてやっていきたい」。優勝も得点王も通過点に過ぎない。さらなる夢に向かって、山田はこれからも走り続ける。

(取材・文 西山紘平)

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