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[全日本ユース選手権]“黄金世代”浦和ユースが念願の高校タイトル

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[10.13 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権決勝 浦和ユース 9-1 名古屋U18 埼玉]

 浦和の“黄金世代”がついに高校世代の頂点に立った。浦和ユースの現2、3年生は、浦和ジュニアユースが05年に日本クラブユース選手権(U-15)と全日本ユース(U-15)選手権を制したときのメンバー。その選手たちは、日本サッカー協会の犬飼会長が「イマジネーション、パススピード、シュートが枠に行くところはトップチームの選手も参考にしてほしい」と絶賛した圧倒的な攻撃サッカーで栄冠をもぎ取った。
 FW高橋峻希(18)、FW原口元気(17)のU-19日本代表コンビに昨年のU-17W杯日本代表の中盤の核を担ったMF山田直希(18)と、アジア王者・浦和のトップチームで公式戦デビューを果たしている選手が3人いるチームの実力とポテンシャルを考えれば、圧倒的な力を発揮しての日本一獲得は驚きではなかった。ただ、中学時代に全国2冠を達成したメンバーが最上級生となった今年は、これまで思うような結果が出ずに苦しんだ。昨年は2年生主体のチームで全日本ユース4強進出するなど、シーズン前からこの年代では間違いなく群を抜く戦力と評価されていた。だがプリンスリーグ関東1部では3位に沈み、夏の日本クラブユース選手権(U-18)は屈辱的なグループリーグ敗退。それだけに今大会に懸けていた。MF浜田水輝(18)は「相手は違ったけどリベンジしたかった。自分たちの方が上だと見せたかった」。
 その思いは決勝戦での歴史的な大勝で示した。前半で4点のリードを奪っても「常に攻めるのが自分たちのチームの姿勢。相手がへこたれるくらいにやってやろうと思っていた」とDF菅井順平主将(18)が振り返る、強気の攻撃サッカーで90分間試合を支配して見せた。ベンチから守れの指示は決して、でない。「浦和ユースは攻めて、勝つ」の姿勢が怒涛の9ゴールをもたらした。
 山田、高橋と現高校2年生の原口に加えて浜田、DF永田拓也(18)の5選手のトップチーム昇格が濃厚となっている浦和ユース。「11人でやるスポーツとしてのサッカーの本質を理解した上で、個性を発揮する」と口にする堀孝史監督の下で、個でもチームでも力を伸ばしてきた。そして大舞台で強さを見せ付けた。次の狙いは冬のJユースカップ優勝。浜田は「高円宮杯優勝チームとして注目されると思う。周りの期待に応えられるように頑張る」。念願の日本一獲得で自信を手にした“黄金世代”はJユースカップも制して高校生活を締めくくる。

<写真>優勝を喜ぶ浦和ユースイレブン
(取材・文 吉田太郎)

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