高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権は13日に埼玉スタジアムで決勝を行い、浦和ユース(埼玉)と名古屋U18が対戦。浦和はMF山田直輝(18)がハットトリックを達成するなど決勝戦史上最多となる大量9得点を決め、9-1で圧勝し、初優勝を飾った。
以下、試合後の浦和ユース選手コメント

<浦和ユース>
●FW原口元気
「優勝できてうれしい。最高の形で終われて、しかも埼スタで、何も言うことはないです。去年準決勝で負けたのが悔しくて、毎日練習してきた。それが叶ったのでよかった」
―グループリーグでも対戦していた相手だったが、やりづらさは?
「やるまではいろいろ研究されて難しいかなと思っていたけど、やってみたらいつもと変わらず、難しさはなかった」
―ゴールの場面は?
「思いきり打っただけです。たまたまボールが落ちてきて蹴っただけ」
―大差が付いたが、要因は?
「きょうはフィニッシュの精度が良くて、多く点が入ったと思う」
―今後の目標は?
「トップに行って、Jで公式戦に出るのが目標。先を見ずに、目の前の毎日を頑張って、まずレッズでレギュラーになりたい」
―右サイドにポジションチェンジする場面もあったが?
「左でボールが来ない時間帯とかは、ゲームをつくってリズムをつくるタイプなので、ボールを触りながら中に入っていくこともある。高校に入ってからはずっと左。それまでは2トップの一角だった。やりやすいし、一番力が発揮されるポジションだと思う」

●MF山田直輝
―初優勝について?
「素直にうれしいです」
―去年準決勝で負けた悔しさを晴らせた?
「去年は準決勝で国立で負けて、埼スタでやりたいと思って1年間やってきた。今までやってきたサッカーを前面に出して、走って戦えた」
―ハットトリックについては?
「監督を含め、みんなが意識して僕にボールを出してくれた。いいボールをくれたおかげです」
―得点王だが?
「たまたま僕が決めたけど、そこまでをつくってくれたみんなのプレーがあったから、得点王になれた」
―今年のチームの特徴は?
「みんなが走って、自分が自分がではなく、最後にフリーの選手をつくろうと、みんなで心づかいができるチーム」
―今後の目標は?
「Jユース杯もあるし、トップでチャンスがあるかもしれない。ひとつひとつ目標を見つけてやっていきたい」
―最後はFWに上がった?
「FWに行け、点を取れっていう指示で、前に出してくれた。ゴールに近い位置でプレーしてゴールを決めろって」
―得点王を狙えという感じだった?
「言葉ではなかったけど、そういう感じだった。試合前に2点取れば(得点王に)並ぶことは知っていた」
―FWの経験は?
「やったことなかったけど、いつもと変わらない感じでできた」
―名古屋の印象は?
「名古屋さんも真っ向勝負をしてくれて、たまたまこっちに点が入ったけど、次やったら勝てるか分からない。ホームでできたし、サポーターの声援が力になった」
―中学時代から一緒にやっている選手が多いが?
「話さなくても意思統一されている。声より早く反応できている」
―準決勝が終わって、見ている人の心を動かせるプレーしたいと言っていたが?
「試合を見に来るということは何かを見たいと思っているから。試合を見てつまらなかったらまた応援してくれないと思う」
―何を見せようと思った?
「一番考えているのは最後まで走ること。どんなに大差が付いても前からプレッシャーをかけて、ボールが取れそうならスライディングする。考えなくても、それは体に染みついている。体が勝手に反応する」

●DF菅井順平主将
「今大会の初戦の前に1試合1試合やるごとに成長していかないといけない、と堀監督から言われていた。自信をつけながら、チームとしてまとまって強くなることができたと感じている」
―主将としての役割は?
「100%力を出して、声を出してチームを引っ張っていければいいと思っていた」
―前半で大差がついたが?
「常に攻めるのがチームの姿勢。後半も先に点をとって相手がへこたれるくらいやってやろうと思っていた。うちは守ろうという指示はまず出ない。守ろうというのはなかった」
―メンバーがそろっている中で結果が出なかったが?
「期待されている中で結果が出なかった。今まで負けを繰り返してきて、勝つために何が必要か考えてきた。勝てないということは甘さがあったと思う。チームとしてまとまれない時期があった。まずはひたむきに取り組もうと。そしてチームとしてひとつになれた」
―堀監督の指導については?
「選手を本当によく見てくれている。僕たちにあった縛られないサッカーをさせてくれる。細かい指示よりもコンビネーションをやっていることが多い。基本的に反復練習をやっていることは昨年(堀)監督になってから全く変わっていない」

●FW阪野豊史
―ポストプレーなど周囲を生かすプレーが光っていたが?
「点取るだけが仕事じゃない。自分が前でつぶれて、(高橋)峻希が点取るのも仕事だと思っていた」
―クラブユース選手権はグループリーグ敗退だったが?
「チームがまとまってなかった。ギクシャクしていたけどあれで負けてひとつになったと思う」

●MF高橋峻希
「一昨日(準決勝)に苦しい戦いを勝った事が大きくて、それが今回の大量得点につながったと思う。攻守の切り替えが速くて一番いい試合だった。後半疲れたときにどれくらいできるかだったけど、きょうは気持ちを出せたと思う」
―大量リードを奪っての後半だったが?
「0-0から始めようと切り替えていた」
―名古屋とはグループリーグに続く対戦だったが?
「予選のときは自分はいなかった。どういうチームだろうと思っていた。ただ相手チームのことはあまり気にしていなかった」
―後半2得点を決めたが?
「前半のうちにハットトリックできるくらいできたと思っていた。シュートチャンスが来たら打とうと思っていた」
―優勝した要因、自分たちの良さはどこに?
「チームワークがすごいかなぁと思う」
―きょうのサポーターの応援については?
「応援にたくさん来てくれて、出なかった選手も声をかけてくれた。そして11人がピッチで結果を出してくれて、いい試合ができたと思う」
―今後の目標は?
「今日は高校ナンバー1を決める試合で勝って1位になれた。Jリーグでの出場がまだないんで、出場目指して頑張っていきたい」
―ハットトリックのチャンスがありながら山田にアシストしていたが?
「優勝したチームから得点王が出てほしかったので(笑)」

●DF浜田水輝
―今大会のポイントはどこだったか?
「作陽戦。相手は強かったし、自分も調子が悪かった。あそこで勝てて変われた」
―CBとボランチで起用されたがどちらの方が得意?
「CBのほうがやりやすい。もっとプレーの質を上げていきたいと思う。ボランチとしては、今大会調子良くて相手の攻撃をつぶせたと思うけど、攻撃はまだまだだと思う」
―クラブユース選手権はグループリーグ敗退だったが?
「相手は違ったけどリベンジしたかった。自分たちの方が上だと見せたかった」
―今大会は優勝したが、Jユース選手権の目標は?
「高円宮杯の優勝チームとして注目されると思う。周りの期待に応えられるように頑張る」

(取材・文　吉田太郎、西山紘平)