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F東京、赤嶺V弾でACL出場の可能性残す!

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[11・30 J1第33節 F東京 1-0 新潟 味スタ]

 J1は30日、第33節残り3試合を行った。前節まで6位のFC東京と14位・アルビレックス新潟との一戦は、F東京が途中出場のFW赤嶺真吾の決勝ゴールで1-0で勝利。F東京は3位・川崎Fとの勝ち点差2をキープし、最終節(12月6日)にアジア・チャンピオンズリーグ出場圏内3位に入る可能性を残した。一方、敗れた新潟は16位・東京Vと勝ち点2差。最終節にJ1・J2入れ替え戦圏16位転落の可能性が残った。

 累積警告のためMF梶山陽平とDF徳永悠平が出場停止のF東京は右SBに日本代表DF長友佑都、左SBに金沢浄を配置する4-4-2の布陣。CBは佐原秀樹、茂庭照幸でGKは塩田仁史。中盤中央に日本代表MF今野泰幸と羽生直剛が入り、右MFが石川直宏、左MFにはエメルソンが先発した。2トップにはカボレと平山相太が構えた。F東京が引き分け以下に終わり、名古屋が同日の札幌戦に勝てばACL進出が消滅するだけに負けられない試合だった。
 一方、引き分け以下だと最終節で16位転落の可能性が出てくる新潟は、チームトップの13得点を挙げているFWアレッサンドロとCB永田充が出場停止。F東京と同じく4-4-2システムの2トップは矢野貴章と田中亜土夢。右MFがマルシオ・リシャルデスで左MFは松下年宏、ダブルボランチは千葉和彦と本間勲が努めた。4バックは右から内田潤、千代反田充、海本慶治、松尾直人。GKは北野貴之だった。
 
 序盤はともに可能性の低いフィフティボールの蹴りあいが続いた。だが、F東京はカウンターとサイド攻撃、新潟はセットプレーから徐々にチャンスを作り出していく。10分には自陣で相手ボールを奪ったF東京MF石川がドリブルで独走。パスを受けたカボレが左足シュートへ持ち込んだ。さらに11分には、平山が右サイドへ出した絶妙なパスで石川が抜け出し、ライナー性のクロスがゴール前を通過する。
 対する新潟は13分、左サイドからのFKで松下が右足を振りぬく。ゴール前に走りこんだ選手が死角となったが、F東京GK塩田がわずかに触ったボールはクロスバーを叩き、ゴールを外れた。新潟は24分にもFKを起点とした攻撃からチャンスを作る。左クロスにファーサイドから走りこんだ矢野が、ゴール至近距離から右足ボレーシュート。だが、GK塩田の好守により得点することができない。新潟は41分にもDF裏のスペースへ走りこんだ松下の右足シュートがクロスバーを叩いた。ハーフタイムに鈴木淳監督が「ウチの方がチャンスが多い」とコメントした新潟に対し、F東京はカボレや石川、長友がサイドをえぐるが、ラストパスは新潟守備陣に跳ね返され、前半はシュートわずか2本に終わった。
 
 F東京は後半開始からエメルソンに代え、19歳のMF大竹洋平を投入。攻撃のリズムを変えようとしたが、集中力の高い守備を見せる新潟DF陣に穴はできず。それでも15分に右サイドで粘った平山のラストパスにフリーでカボレが飛び込むが、シュートは枠を捉えられない。
 逆に新潟は矢野や田中の力強い突破から相手を敵陣に押し込んだ。22分には中盤でパスをつなぎ、田中の右クロスにリシャルデスが飛び込む。さらに28分にはカウンターからリシャルデスが独走。右サイドへのスルーパスに反応した矢野のシュート性のクロスがゴール前を横切った。32分にも矢野が相手DFを引きずるようにしてゴール前へと突進。ラストパスがフリーの田中につながるが、右足シュートはまたもやGK塩田にはじき出され、6戦未勝利の新潟はどうしても得点することができない。

 両チームのGKが勇気ある飛び出しや好セーブを連発したことにより、無得点のまま終盤を迎えた試合。F東京は後半19分のMF鈴木達也投入に続き、30分には早くも3枚目のカードとなる赤嶺をピッチへ送り出す。新潟が1人目の選手交代を行う前に交代枠を使いきったF東京。この積極策が試合の流れを自らに傾けた。39分、大竹のミドルシュートにより得た左CK。キッカーの大竹が左足でボールをゴール前へ送ると、飛び込んだ赤嶺が豪快なヘディングシュート。途中出場の2選手によりゴールを破ったF東京が1-0で勝ち、アジア・チャンピオンズリーグ出場へぎりぎりのところで踏みとどまった。

<写真>決勝弾となるヘディングシュートを決めた赤嶺真吾

(取材・文 吉田太郎)

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