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[全日本女子]TASAKIペルーレFCが20年の歴史に幕

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[12.28 全日本女子サッカー選手権準決勝 ペルーレ 1-4 レオネッサ 西が丘]

 TASAKIペルーレFCが28日、全日本女子サッカー選手権準決勝でINACレオネッサに1-4で敗北し、20年の歴史に幕を閉じた。
 田崎真珠株式会社は10月10日、不景気の煽りを受けて経営陣の刷新と大規模な経営・事業の再生断行を発表。それに伴いサッカー部・ペルーレFCの「休部」及び今回の全日本女子サッカー選手権を最後に日本女子サッカーリーグから退会する事を決定した。
 ペルーレは今季のなでしこリーグは4位に終わったものの、第1回日本女子サッカーリーグから参加し、今年で20年目を迎えた名門チームだった。過去にはなでしこリーグ優勝1回、準優勝4回、全日本女子サッカー選手権大会では優勝4回、準優勝4回という輝かしい実績を誇ってきた。今年の北京五輪には、チームからDF池田浩美、MF阪口夢穂が出場し、初の4強入りの原動力となった。
 「ペルーレが出来てからの20年の中で、私は15年間ここでサッカーができた。私は一番の幸せ者。高校を卒業して誰も拾ってくれなかった中で、ペルーレだけは拾ってくれた。そして五輪に出場するチャンスにも恵まれた。このチームには本当に物凄い感謝しています」。この日の試合後、長年チームの中心選手として活躍してきた池田はそう話した。この日の対戦相手・レオネッサ田渕径二監督も、「私が以前TASAKIの下部チームで指導していた時から、このチームは目指すべき目標、理想のチームだった。今日は勝つことが出来たが、TASAKIが女子サッカー界からなくなるのは何とも複雑で悲しいこと」と心中を語った。また、ペルーレと共に女子サッカー界で凌ぎを削ってきた日テレ・ベレーザのMF澤穂希も「TASAKIはベレーザと一緒に女子サッカーをずっと引っ張ってきた重要なチーム。(チームが休部してしまうのは)仕方ないのだけれども、とても寂しい」と、ライバルの休部に対し寂しさを露わにした。ペルーレは今年の全日本女子サッカー選手権第3位という結果を最後に、一度チームの幕を閉じる。チームの最後の年に、4年連続で国立競技場(決勝戦)の芝を踏む事はできなかった。

(取材・文 山口雄人)

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