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[大学]前湘南の慶大MF中町「Jへ返り咲く」

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[2.28 関東大学サッカーオープニングフェスティバル 関東大学選抜A 2-0 関東大学選抜B 西が丘]

 2-0で勝った関東大学選抜Aの中盤で存在感を放ったのが慶應義塾大4年のMF中町公祐(前湘南、高崎高)だった。抜群の個人技を持つセンターハーフは周囲を活かすプレーと相手の穴を狙う動きなど確かな戦術眼と実力を発揮。伊藤大介(順天堂大3年)、山田大記(明治大2年)ら大学サッカー界を代表するテクニシャンが揃う関東Aの中でもその正確なプレーは際立っていた。試合後には「周りを動かすという自分の役割、コントロールができたと思う」と満足げな笑顔を見せた。

 中町は群馬県屈指の進学校である高崎高から湘南へ加入した04年に慶應義塾大学の試験も突破し入学。現役大学生としてJ生活のスタートを切った中町は、06年にJ2で34試合に出場し、04年にはU-19日本代表にも選ばれた経歴を持つ。だが、負傷に苦しんだ07年シーズン終了とともに湘南から戦力外通告を受けた。他のJクラブからのオファーもあったが、中町は在学していた慶應義塾大でのプレーを選択。大学ルーキーイヤーの昨年は関東2部の同大の中盤に君臨し、チームの優勝と一部昇格に貢献。自身もベストイレブンに選出された。

 今年は最終年。選抜での活躍も大事だが、関東1部でのプレーは今年が最初で最後となる。慶大は昇格組だが、中町や清水の特別指定選手のMF河井陽介(1年=藤枝東高)や主将のMF中川靖章(3年=静岡高)、そしてこの日関東Bチームでプレーした3選手などを擁し、復帰1年目での上位進出、優勝も期待される。「この1部で結果を残すことでJに返り咲ける。チームのためにも慶應で何を残せるかが大事」。
 中町の目標は再びJリーグでプレー、活躍することだ。「(技術面など)自分が自信を持ってやってきた部分プラス、どっかハードワークするとか攻守にもう一段階上げて、プロで使ってもらえる選手になること。現状に満足せずに上を見据えてやること。まずは関東選抜でチームの中核としてコントロールしたい」と意気込んだ。関東選抜合流前には横浜FCの練習に参加。Jクラブにとっても即戦力候補の頭脳派MFは、自身にとって重要な09年を経て、自信を持ってJへ返り咲く。

(取材・文 吉田太郎)

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