beacon

[大学]「サッカーじゃなかった」指揮官ばっさりも、筑波大今季初勝利(筑波大vs.神奈川大)

このエントリーをはてなブックマークに追加

[4.17 第83回関東大学サッカーリーグ1部リーグ第2節 筑波大 2-0 神奈川大 三ツ沢陸上]

 筑波大が今季初勝利!JR東日本カップ2009 第83回関東大学サッカーリーグ1部は17日、三ツ沢公園陸上競技場(横浜市)で2試合を行い、昨年度の全日本大学選手権準優勝の筑波大は雨中で1部昇格2年目の神奈川大と対戦。MF大塚翔太主将(4年=大津高)と1年生FW不老祐介(広島ユース)のゴールで2-0で勝ち、今季初勝利を飾った。
<出場メンバー>

 13日に行われた大宮との練習試合で計3得点を挙げた08年U-19日本代表FW瀬沼優司(桐光学園高)と不老の1年生2トップで試合に臨んだ筑波大だったが、チームは前半からパスミスを連発。敵陣、自陣でもボールがつながらず、神大のカウンター攻撃に再三ゴールを脅かされた。だが24分、ドリブルで持ち上がった大塚が「(押されている状況だったので)パスよりも打った方が結果が出る」と右足を一閃。この日チーム初シュートとなった一撃は、シュート回転しながらGKの指先を抜け、ゴール右隅に突き刺さった。
 さらに33分には右サイドでボールを受けた不老が鋭いターンからPAへ進入。対応に遅れた神大DFからPKを獲得すると、キッカーの不老は大学初ゴールとなるPKを右足で決め、リードを2点とした。

 2点を先取した筑波大だったが、前半で放ったシュートはこの2本だけ。逆にスピードに乗った攻撃でDF裏のスペースを突き、思い切ったミドルシュートも放つ神大に前半だけでシュート13本を浴びた。ただ、全日本大学選抜の右SB藤川祐司(4年=横浜FMユース)のオーバーラップなどからチャンスをつくった神大だったが、左足首負傷のために欠場したエースの全日本大学選抜FW三平和司(4年=秦野南が丘高)不在が響いたか、決定力に欠き、好守を連発する筑波大GK碓井健平(4年=藤枝東高)の壁を破ることができない。

 筑波大は後半4分に初先発のDF鳥羽亮佑(2年=藤枝東高)が決定的な左足ボレー。また25分には不老からのラストパスを受けた大塚のトゥーキックシュートがクロスバーを叩き、MF小澤司(3年=桐蔭学園高)の鮮やかなドリブル突破から得点機をつくる場面もあったが、徹底的につなぐスタイルで得点を量産した昨年終盤のレベルと比べるとまだまだ。ミスは後半も減ることはなかった。風間八宏監督も「(あまりにパスミスが多すぎて)サッカーじゃなかった」とばっさり。大塚は「勝てたことだけがよかった。監督からは(練習のように)いつも通りやれば、といわれるけど、試合で実践できる選手がまだ少ない」。ただ「でも練習でやっていることを普通に出せるようになれば、どこにも負けないと思う」と言い切った。
 1月の全日本大学選手権は中央大との決勝を1-2で落とし、準優勝。結果よりもまずは1人1人が「戦える術をつかむ」ことでチームとしての力も伸ばす風間監督の下、選手たちは昨年度勝ち取ることのできなかった全国でのあと1勝、そしてリーグV奪取する力を戦いながら身につける。

<出場メンバー>
[筑波大]
GK
碓井健平(4年=藤枝東高)
DF
作田裕次(4年=星稜高)
岩永雄太(4年=都・駒場高)
田中雅士(3年=上田高)
鳥羽亮佑(2年=藤枝東高)
MF
大塚翔太(4年=大津高)
80分→山越享太郎(1年=東京Vユース)
森谷賢太郎(3年=横浜FMユース)
小澤司(3年=桐蔭学園高)
長沼恭平(3年=札幌U-18)
66分→八反田康平(2年=鹿児島中央高)
FW
不老祐介(1年=広島ユース)
瀬沼優司(1年=桐光学園高)

[神奈川大]
GK
海野健介(4年=秦野高)
DF
佐々木翔(2年=城山高)
伊池翔吾(4年=逗葉高)
小池翔(4年=桐光学園高)
藤川祐司(4年=横浜FMユース)
MF
内村淳(4年=大宮ユース)
吉田一樹(4年=鹿島ユース)
安藤良平(4年=逗葉高)
61分→鈴木将也(3年=逗葉高)
小倉大輔(1年=水戸短大附高)
FW
郷内勇太(4年=横浜FMユース)
80分→三原向平(2年=尽誠学園高)
鈴木淳(4年=城山高)
67分→木原将(2年=前橋育英高)

<写真>後半、個人技で相手DFを翻弄した筑波大MF小澤(右)
(取材・文 吉田太郎)

TOP