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逆転での3連勝も闘莉王は「何もよくない」

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[7.11 J1第17節 浦和2-1広島 埼玉]

 「今日は本当に何もない試合。いいところは勝ったという点だけ」。FWエジミウソンの2得点で、逆転勝利を飾った浦和レッズだったが、DF田中マルクス闘莉王の口からは、納得の出来ない言葉が飛び出した。

 44149人が集結した埼玉スタジアムに乗り込んできたサンフレッチェ広島に先制されたのは前半6分。左クロスをFW佐藤寿人に決められた。それ以降、広島の攻撃力の前にゲームを支配され、「相手の方が60分間優れていた」とはフォルカー・フィンケ監督。しかし指揮官は「最後の30分だけはチームのスピリッツが勝った」と、ラスト30分の選手の頑張りを称えた。

 一方、「何もよくない」と闘莉王。前半から中盤でのパスが安定せず、パスを出す有効なスペースが作れなかった。闘莉王は積極的に攻撃参加。最後尾からパスの出しどころを探し、4本のシュートを放つなど前線にも頻繁に顔をだした。パスを出したい場所に動かない右SB西澤代志也らにジェスチャーで苛立ちを表現するシーンも多く見られた。広島とは、パスサッカーを基本としたポゼッション重視という点で、サッカーのスタイルが似ている浦和。しかし迫りくる広島の攻撃の前に、浦和スタイルは鳴りを潜めた。その点に闘莉王は憤りを覚えている。逆転ゴールを決めたエジミウソンも「広島は本当に強いチームだった。3点くらいとられていてもおかしくないゲームだった」と振り返った。3連勝と結果は良いが、内容が伴わない試合となった。

<写真>浦和DF闘莉王
(取材・文 山口雄人)

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