-ロスタイムの奇跡…劇的ゴールでインカレ決める-

　第83回関東大学サッカーリーグ第22節は21日、国立西が丘サッカー場で駒大と早大が対戦。駒大は後半ロスタイムに劇的なゴールを奪って2-1で勝利し、インカレ出場を決めた。

〈写真〉インカレ出場を決めた那倉のシュート

　勝てば自力でのインカレ出場が決まる。しかし、引き分けや負けとなると、5位慶応の試合結果待ちになってしまう難しい試合だった。中山友規主将は「インカレもかかっていたが、リーグ戦は最後なんで、しっかり全力ですべてをグラウンドにおいていく気持ちだった」と試合前の気持ちを語った。

　言葉通り、駒大イレブンは開始から積極的に戦った。試合開始早々、ゴール前での混戦からゴールを決めるが、ファールとなり無効に。その後は相手にボールを回されてチャンスを作ることができない。

　ところが、前半32分笠井がペナルティエリア内で倒されPKを獲得した。絶好のチャンス。しかし、キッカー三島康平が外してしまった。嫌な空気が流れる中、その5分後、相手FW富山にミドルシュートを決められ先制を許した。その後は駒大が攻め続けたが、前半は1点リードでされたまま折り返される。

　ハーフタイム。秋田浩一監督は選手たちを「4年生には最後だし、もっと長くサッカーがしたかったらしっかりやれ」と鼓舞した。これで、チームが再び気持ちを強くした。山崎は「勝つこと、インカレに出ることを考えて、逆転をして頑張ることを考えていた」と胸中を明かした。

　再び結束した駒大は反撃を開始した。後半早々に山崎健太がシュート。枠をとらえられなかったが、明らかに前半よりは動きがよくなっていた。

　得点がほしい駒大は、後半12分に佐藤佳成に代え湯澤洋介を投入する。だが、引き気味の相手は守備を固めてきた。そこで30分あたりから、ディフェンスの中山を前線に上げてパワープレーを敢行。そして、三島に代えて那倉夢人を投入し残り時間を懸けた。

　直後に、酒井隆介のロングスローがニアサイドの選手を超えて誰も触らないまま逆サイドに流れる。このボールを山崎が右足で蹴り込み同点にした。山崎はこのゴールについて「自分の前でみんながつぶれたのでみんなの得点」と語った。

　そして、後半ロスタイムに奇跡は起こる。笠井からのパスを受けた那倉がドリブルで仕掛けて、中へ切り込み右足一閃。ボールはキーパーの逆を突きゴール! 得点の瞬間、選手、スタッフ、スタンドの駒大関係者のすべてが喜びを爆発させた。直後に試合終了のホイッスルが鳴る。土壇場で逆転、そしてインカレ出場の切符を手にした。

　前節の東海大との試合も先制点を許した所から逆転にひっくり返した試合だった。確実にチーム力は上がっている。リーグ戦ではどの選手も「インカレ出場」を目標にしてきた。その結果がこの2試合の逆転劇を起こした。次はインカレで「全国優勝」という新たな目標を立てて、日本一を目指した最後の戦いに挑む。

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以下は試合後のコメント

●秋田浩一監督
「内容が悪かったが、勝てたのでよかった。完成度? 春に比べれば良くはなっているけど、まだまだ。60%くらいではないか。インカレの目標は優勝? と言いたいけどそういう状況でもないので、1つ1つしっかりやりたい。まず1つ勝ちたい」

●中山友規主将(政4)
「内容は良くなかったけど、最後まで諦めず最後に点が入って良かった。試合前の心境? インカレもかかっていたがリーグ戦は最後なんで、グラウンドにおいていく気持ちだった。インカレ出場のどのチームも優勝目指してくるので、それに負ないようにうちは駒大サッカーをやって優勝を目指したい」

●那倉夢人(地4)
「点を取る時は(周りが)止まって見えるというか、自分に余裕がある。自分の形で取れたことは嬉しい。でも、チームが勝ったことが一番嬉しい。インカレに向けて? 皆でサッカーできるっていう喜びを感じて、感謝してサッカーしたい。国立で監督を胴上げできるように頑張ります」

●山崎健太(営4)
「結果にこだわってきたんで、逆転できてよかった。勝つこと、インカレに出ることを考えて、逆転して頑張ることを考えていた。得点? 自分の前でみんながつぶれたのでみんなの得点。(インカレでは)トーナメントなので駒大サッカーをして優勝したい」

(文 駒大スポーツ・西山裕之)
(写真 同・東條貴史)

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