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[高校選手権]流経大柏、雪辱の舞台へまず1勝:千葉

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[11.23 全国高校サッカー選手権千葉県大会準々決勝 流通経済大柏 3-0 敬愛学園 市原]

 第88回全国高校サッカー選手権千葉県大会は23日、準々決勝の残り2試合を行い、07年度の全国王者・流通経済大柏は敬愛学園と対戦。FWグレイブス・ジョシュア(3年)の先制ゴールなどにより3-0で快勝した。

 流経大柏の名将・本田裕一郎監督が「すごく神経質に、気を遣った」と振り返った全国へのスタート。初戦の対戦相手・敬愛学園はトップ下に位置する2年生MF佐藤拓真を中心にキープ力があり、狭いスペースでもパスをつないでボールを前へ運んでくるテクニカルなスタイルのチーム。「ビデオを見て結構厄介だなと思った」(本田監督)という予想通り、前半15分にDF粟田広夢(3年)に決定的なシュートを放たれるなど危ない場面をつくられた。
 ただ、相手にかわされる場面もあったもののプレッシャーが早く、球際で厳しい流経大柏はボールを奪った後の素早い仕掛けから決定機をつくる。11分には右サイドのMF吉村康平(3年)からのスルーパスで抜け出したFW進藤誠司(2年)が右足シュート。さらに26分には右CKのこぼれ球をCB本橋託人(2年)がゴール至近距離からシュートを打ち込んだ。

 相手GK天野秀之(2年)の好守に阻まれ無得点が続いていたがそれでも流経大柏は31分、先制に成功する。自陣からのクリア気味のボールが敵陣のスペースに落ちる好パスに。これに真っ先に反応したジョシュアがGKと接触しながらも右足を振りぬき先制点を決めた。
 これで楽な展開となった流経大柏はさらに後半6分、左クロスのこぼれ球を吉村が頭で押し込み2-0とリードを広げる。また再三ベンチから「ゼロで行け」と引き締められていたDF陣は集中力を欠くことなく完封勝利。試合終了間際には左CKから途中出場のFW渡辺悠介(3年)が頭でゴールを決めて、いい形で初戦を締めた。

 今季は2連覇を狙った全国総体を宿泊先で起きた集団食中毒の影響で悔しい初戦5失点敗退。全日本ユース選手権はグループステージ3連敗の屈辱を味わった。メンバーを全く固定することができず、2年連続で日本一を成し遂げてきたチームは県内でも無冠のまま秋を迎えてしまった。
 だが、昨年の全国総体優勝メンバーの吉村が「(当然)納得いかない」と語ったようにこのままで終わるつもりは全くない。最後の公式戦だった9月の全日本ユース選手権・広島観音戦から、チーム内の競争を勝ち抜いた6選手が入れ替わりまずは結果を残した。「初戦が大事だといわれていた。まずは勝ったのでここから」と吉村。選手、スタッフが試行錯誤を繰り返しながら高めてきた本当の力を見せるのはこれからだ。
 飛びぬけたチームがなく実力伯仲と予想される今年の千葉で流経大柏は、他校との違いを出して全国での雪辱を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

特設:高校サッカー選手権2009

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