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[天皇杯]G大阪GK木村がデビュー戦勝利。大先輩のアドバイスで奮闘

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[12.29 天皇杯準決勝 G大阪2-1仙台 国立]

 うれしさとともに、安堵感が体を駆け巡った。2-1勝利を告げる笛がなった瞬間、GK木村敦志は胸をなで下ろした。

 「先発はきょうの朝、言われました。松代さんからも朝の散歩のとき“任せたから”といわれて、、、。きょうはやってやろうと思っていた。自分が出て負けるのは嫌だったので、勝ててよかった」

 守護神の藤ヶ谷陽介がA型インフルエンザを発症した。加えて藤ヶ谷と遜色ない第2Gのベテラン松代直樹が怪我を抱えていたため、満足なプレーができない状態だった。白羽の矢が立ったのはユース出身の25歳、木村だった。

 だが、これまでナビスコ杯も出場したことがなく、公式戦プロ初出場。極度の緊張感に襲われた。1失点こそしたが、それでも大きなミスはなし。最終ラインで声を出し、必死に守った。西野監督が「デビュー戦が国立という大舞台になったが、木村もよい準備をしてくれたと思うし、堂々と存在感をもって遜色なくやってくれた」と評価するプレーを見せた。

 そこには、大先輩のアドバイス、仲間の気遣いがあったという。「松代さんが、自分が守ってやろうとか思わなくていい、味方に任せるくらい、気軽にやった方がうまくいくもんや、と言ってくれた」。35歳ベテランの言葉で体の力みがとれた。ともに控えのGKとして一緒に練習する時間が長く、松代の練習姿勢を見習ってきた。尊敬する大先輩の一言で、気持ちが楽になった。

 そして、チームメートが頻繁に声をかけてくれて、緊張をほぐしてくれた。試合中も、ハーフタイムもそうだった。「みんが気を遣ってくれた。やりやすかったです」と木村は感謝を口にした。

 「決勝? 出たいですね。チームの勝利に貢献したいです」と、サッカー選手として晴れの舞台である、元日のピッチに思いをはせた。西野監督は「次は松代の回復具合にもよるが、今日、木村がよいパフォーマンスを見せてくれたことで選択に迷うところかもしれない」と話しており、出場の可能性はある。出場できたら、木村は支えてくれた大先輩、チームメートへ、今度はビッグセーブで恩返しをするつもりだ。

<写真>G大阪GK木村のデビュー戦勝利を労うMF橋本
(取材・文 近藤安弘)

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