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「決勝Tへ」“狭間のタレント軍団”U-17代表挑戦

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 U-17日本代表を指揮する大熊裕司監督は初戦を2日後に控えた「コパ・チーバス2010」(メキシコ)へ向けて「決勝トーナメントへいきたい」と力をこめた。今回のチームには、昨年12月に2学年上の世代のU-18日本代表候補合宿にも招集されているMF田鍋陵太(三菱養和SCユース)をはじめ、高校1年生ながら主力として横浜・マリノスユースの全日本ユース(U-18)選手権優勝に貢献したMF熊谷アンドリューとGK鈴木椋大、昨年の豊田国際ユース大会MIPのFW久保裕也(京都U-18)、そして元日本代表MF風間八宏氏を父に持つFW風間宏矢(清水商高)ら各チームや都道府県選抜などで活躍してきた選手も多数名を連ねている。

 この日のゲーム練習で目立っていたのは熊谷。中盤中央の位置でボールに絡むと、懐の深いドリブルからのスルーパスで風間のゴールをアシストするなど動きは冴え渡っていた。また同じく精力的にボールに絡んでいたMF相馬大士(柏U-18)らが中盤の軸となりそう。加えて、この日はスピードを披露する場面の少なかった高速ドリブラー、田鍋や久保、08年日本クラブユース選手権(U-15)MVPのFW高原幹(名古屋U18)らタイプの違う多彩なアタッカー陣が北中米の強豪クラブたちをどう切り崩すのか注目だ。

 U-17W杯を目指して継続的に強化されてきた昨年のU-17代表は「コパ・チーバス2009」グループリーグで2勝2分1敗。グループ3位に終わり決勝トーナメントへ進出することはできなかったが、FW宇佐美貴史(G大阪)がU-17ブラジル代表戦で2得点を挙げるなど7得点で得点王に輝いた。今回のU-17代表は今年国際大会の公式戦のない“狭間の世代”で本格的な強化はAFC U-19選手権予選の行われる来年からだが、メキシコで“プラチナ世代”以上の戦いを見せられるか。
「(相手の守備や攻守の切り替えの速度など)国内の意識では通用しない」と指揮官は注意を促すが、「(2日間の練習で)意識が明らかに変わってきている選手もいる」というU-17代表のメキシコでの活躍に期待したい。

<写真>U-16代表として出場した豊田国際で活躍しているFW久保(左)とDF宮本
(取材・文 吉田太郎)

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