beacon

王者の貫録、鹿島が2トップ共演で浦和に快勝

このエントリーをはてなブックマークに追加

[3.6 J1第1節 鹿島2-0浦和 カシマ]

 Jリーグは6日、開幕し、カシマスタジアムでは3連覇中の王者鹿島アントラーズ浦和レッズを迎え撃った。鹿島は前半5分、FW興梠慎三が先制点を決めると、後半41分にFWマルキーニョスのゴールで突き放し、2-0で快勝。王者の貫録を見せつけ、4連覇へ好スタートを切った。

 鹿島は韓国代表DFイ・ジョンスが負傷欠場し、代役にDF伊野波雅彦が入った。システムは4-4-2で、GK曽ヶ端準、4バックは右から内田篤人、岩政大樹、伊野波、新井場徹と並んだ。中盤は小笠原満男と中田浩二のダブルボランチ、右に野沢拓也、左にフェリペ・ガブリエル。2トップは興梠慎三とマルキーニョスだった。
 浦和は4-2-3-1で、GK山岸範宏、4バックは右から平川忠亮、山田暢久、坪井慶介、宇賀神友弥。中盤は阿部勇樹と細貝萌がダブルボランチを組み、2列目に右からポンテ、柏木陽介、エスクデロ・セルヒオと並び、1トップにエジミウソンが入った。

 開始早々、浦和がセットプレーからチャンスをつくる。左サイドからのポンテのFKにファーサイドで細貝が合わせるが、ヘディングシュートはゴール右へ外れた。

 立ち上がりの出足がよかったのは浦和だったが、先制点は鹿島に生まれた。前半5分、小笠原の左クロスから興梠が上手くDFの前に走り込み、スライディングしながら右足アウトサイドでゴールに流し込んだ。

 鹿島は浦和の不安定な最終ラインを突き、その後もチャンスをつくる。前半18分には内田のアーリークロスを坪井がクリアミス。流れてきたボールをマルキーニョスが拾って右足で狙ったが、ゴール上へ。同22分、今度は山田暢のクリアミスを興梠が拾ってマルキーニョスにつなぐと、マルキーニョスは1対1で宇賀神をかわしたが、右足のシュートは惜しくもゴールポストに弾かれた。

 浦和は2列目の3人が流動的にポジションを変えながらゴール前に迫るが、最後のところで鹿島の堅い守備を崩せない。前半24分、柏木の左足ミドルがクロスバーに当たるチャンスがあったが、攻撃は単発で、同37分のエスクデロのミドルシュートも枠を捉え切れなかった。

 1点ビハインドで折り返した後半、浦和が攻撃の圧力を強める。両サイドバックも積極的にオーバーラップし、攻撃に厚みを加え、同点ゴールを目指した。後半7分には柏木の左クロスをDFがクリアしたセカンドボールをポンテが拾ってシュート。GKのセーブに阻まれたが、サイドからようやく形をつくった。

 浦和は後半23分、細貝に代えてFW田中達也を投入。柏木がボランチに下がり、田中がエジミウソンと2トップを組んだ。同38分には坪井に代わってMF原口元気がピッチへ。阿部がセンターバック、ポンテがボランチに下がる攻撃的布陣にシフトした。

 鹿島も後半34分にフェリペ・ガブリエルに代えてMF遠藤康を投入。互いにベンチが動いたが、交代策が当たったのは鹿島だった。後半39分、左サイドからの遠藤のパスを受けたマルキーニョスのミドルシュートはクロスバーを直撃したが、同41分、今度は深い位置まで進入した遠藤の左クロスにフリーのマルキーニョスが頭で叩き込み、試合を決定付ける2点目を奪った。

 浦和は後半43分、宇賀神の左クロスからエジミウソンがヘディングで狙うチャンスもあったが、シュートはGK正面。攻撃的な選手を次々と投入したものの、なかなか攻撃がかみ合わず、0-2の零封負けを喫した。

(取材・文 西山紘平)

TOP