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宇佐美2G2A!U-19代表が大学生に5発勝利

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[3.24 練習試合 U-19日本代表 5-1 順天堂大]

 今秋に11年U-20W杯の出場権を懸けたAFC U-19選手権(中国)を戦うU-19日本代表が24日、千葉県内で関東大学1部リーグの順天堂大と練習試合を行い、5-1で快勝した。

 昨年12月の候補合宿以来、3ヵ月ぶりに招集されたU-19代表メンバー。この日はコンディション調整に専念したDF松原健(大分U-18)を除く21選手が出場した。4-4-2システムの先発メンバーはGKが中村隼(山形)で4バックは右から田中優毅(日本体育大)、寺岡真弘(関西大)、平出涼(F東京)、阿部巧(F東京)で中盤はゲーム主将の六平光成(中央大)と加藤大(新潟)を中央でコンビを組み、右が菊池大介(草津)で左が清武功暉(福岡大)。2トップは永井龍(C大阪)とこの代表に初招集された有田光希(神戸)がコンビを組んだ。清武と有田を除く9人が昨年のAFC U-19選手権予選メンバー。体調不良者が続出したインドネシアでの厳しい戦いを勝ち抜いた選手たちが、先発メンバーに名を連ねた。

 順天堂大は湘南ベルマーレ特別指定選手のGK松本拓也(4年=磐田ユース)が全日本大学選抜豪州遠征参加中のため不在だったが、元ジュビロ磐田のエースFW岡本達也(4年=磐田ユース)らが先発。その岡本を起点にボールを運ぶ順大に対し、この日のU-19日本代表は攻から守への切り替えが早く、ボールを失ってもすぐに相手選手を囲んでボールを奪い返す。
 ただ、攻撃面では永井が前線で起点となるなどPAまではボールを運ぶが、決定的なチャンスは六平の左FKのこぼれ球を永井が右足ダイレクトで合わせた場面くらい。両SBも積極的に攻撃参加し数的優位をつくろうとしていたが、全体的にスピードアップできず、なかなか相手の裏を取ることができなかった。

 さらに26分に平出が負傷し、内田達也(G大阪)と交代するアクシデント。重い空気が漂ったがそれでも29分、加藤の右CKをニアサイドへ飛び込んだ永井が後方へ流し、これを有田が右足ダイレクトでゴールへとたたき込んで先制した。

 直後にGKを荻野賢次郎(C大阪)へ変更したU-19代表は後からピッチに入った2選手も問題なく試合を締める。自陣でのミスパスから岡本に左足シュートを放たれ、MF佐藤涼(3年=成立学園高)に強烈な右足ミドルを打たれる場面はあったが、1-0で前半を折り返した。

 U-19代表は後半開始からメンバーを入れ替え、GKは荻野で、4バックは右から佐藤卓斗(流通経済大)、高橋祥平(東京V)、内田、阿部の構成へチェンジした。中盤中央で田口泰士(名古屋)と小島秀仁(前橋育英高)を組ませ、右に堀米勇輝(甲府ユース)、左に清武、2トップには宇佐美貴史(G大阪)と杉本健勇(C大阪U-18)を投入。内田、小島、堀米、宇佐美、杉本とAFC U19選手権予選は未招集だった09年U-17W杯出場組5人を同時にピッチへと送り出した。

 ハーフタイムに前半の反省点を指摘されたか、田口や堀米らによる相手ボールホルダーへのプレッシャーがさらに増したU-19代表。明らかにスピードアップした攻撃面でも2トップの安定したポストプレーと大きなサイドチェンジなど、縦横の動きの変化で相手DFを効果的に揺さぶっていった。

 その後半、輝きを放ったのは期待のFW宇佐美。開始53秒に杉本とのワンツーから抜け出して右足でゴールを陥れると、15分にはPA内左サイドでDF3人に蓋をされながらも強引に突破。ゴールライン際からの折り返しに後方から飛び込んだ小島が難なく合わせて3-0とした。

 この後、GKに大森圭悟(福岡大)、左SBに田中、左MFに菊池を投入したU-19代表は自陣での痛いミスがあった一方で、好守からのショートカウンターでシュートチャンスを連発。29分にはゴール正面右寄り、PA外でボールを持った宇佐美が十分にためてからPAへスルーパスを送ると、絶妙なタイミングで飛び込んだ菊池が右足でゴールへと4点目を流し込む。さらに30分には宇佐美のサイドチェンジから堀米が中へ切れ込み、小島、田口がダイレクトでパスをつないで左サイドへ展開。最後はオーバーラップした田中のラストパスを宇佐美が中央で合わせるという流れるような攻撃も披露した。

 トドメは35分。菊池が左サイドを独力でえぐるとその折り返しをニアサイドで杉本が粘り、最後は宇佐美がゴールへと押し込んだ。38分に、DFのミスからこの日素早いステップワークで存在感を示していた順大FW井村雄大(1年=横河武蔵野FCユース)にゴールを破られたものの、関東大学1部の順大に快勝した。

 相手にややミスの目立った後半からの出場だったとはいえ、2得点2アシストの大活躍を見せた宇佐美や堀米ら、新たに加わった92年生まれ組が印象的なプレーを披露。既存メンバーの91年生まれ組との今後のレギュラー争いへ向け、全体の意識を高めるには十分な90分間だった。U-19代表の布啓一郎監督はこの日の反省点として、前半にやや見られたボールを持った選手のサポートの遅さなどを指摘。今後へ向けて「クオリティを上げていく。自分たちが主導権を握れる時間を増やしたい」と話し、U-20W杯のアジア予選については「最低でもアジアを抜けるチームにしなければならない」と誓った。

 同代表はこの後、26日からのアメリカ遠征でダラスカップに出場し、トッテナム(イングランド)などと対戦する。今後は4月にメンバーを2つに分けて、東西2ヵ所(静岡県内、大阪府内)で代表候補合宿を開催する予定。5月にはオランダ遠征を行い、チームのメンバー・戦い方を徐々に固めていく。
 
<写真>2G2Aの活躍を見せたU-19代表FW宇佐美
(取材・文 吉田太郎)

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