[3.31 ナビスコ杯第1節 横浜FM1-0山形 ニッパ球]

　悔しさが表情からにじみ出ていた。公式戦3試合ぶりの先発となった横浜F・マリノスのMF長谷川アーリアジャスールは0-0の後半13分に交代。自分とMF河合竜二に代わって同時にピッチに入ったMF中村俊輔、MF山瀬功治が試合のリズムを変え、直後に決勝点を奪ったチームをただベンチから眺めることしかできなかった。

　「早い段階の交代で、よくなかったから代えられたんだと思うし、そこは受け止めて、練習からもっともっと頑張っていかないといけない」。リーグ戦では開幕から2試合連続でFWで先発。この日は本職とも言える2列目での起用だったが、思うようなプレーを見せられなかった。

　期待を持って先発を入れ替えた木村和司監督も試合後は「アーリアとか若い選手がもっといいパフォーマンスを見せてくれれば、チーム力も付いてくるんだけど。ちょっと残念だった」と厳しい評価を口にし、ゲキを飛ばしていた。

　中村の加入に伴い、山瀬がFWに上がり、中盤からも前線からも押し出される格好となったのが長谷川だった。もう一度定位置を取り戻すためにもアピールが必要だった一戦は、しかし消化不良に終わった。

　「シュンさん(中村)が入って、タメができれば、違った試合になったと思うけど、シュンさんがいる、いないの問題じゃない。代表とかでシュンさんがいなくなることもあるし、そこで違うサッカーになると言われたら悔しい。そこで頑張らないといけない」。今回の経験をバネに、もうひと回り成長できるか。木村監督もそれを待っているはずだ。

(取材・文　西山紘平)

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連載:Jの新風
※この連載企画では、ナビスコ杯のニューヒーロー賞候補選手の中で各試合の注目選手を取り上げていきます