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札幌の19歳古田が左右両足弾、「中学からの自分の形」

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[7.18 J2第18節 千葉0-3札幌 フクアリ]

 コンサドーレ札幌が誇る19歳の至宝が千葉に今季ホーム初黒星を付けた。前半5分、MF藤田征也の左CKの跳ね返りを拾ったMF古田寛幸は利き足とは逆の右足を迷わず振り抜く。DFに当たったボールはゴールマウスに吸い込まれ、先制点を奪った。

 「こぼれてくる予感があって、詰めていたらたまたま来て、打ったらたまたま入った。あの時点で右足で蹴るしかなかった。狙うとかではなくて、思い切り蹴った」

 開始早々の先制点をチーム一丸となって守った。寄せの早さと球際の厳しさ、セカンドボールへの反応速度でも明らかに千葉を上回っていた。石崎信弘監督はW杯での日本代表の戦いぶりを例に挙げ、「W杯で日本が勝った理由は、チームがひとつになって頑張って守ったから」と選手を鼓舞してきた。その言葉通り、選手は粘り強いディフェンスで千葉の反撃をシャットアウトした。

 後半44分にダメ押しの2点目を奪ったのも古田だった。MF岡本賢明からのパスを右サイドで受けると、ドリブルでカットインし、左足で豪快にゴールネットに突き刺した。「あれは中学生からの自分の形。自分の形でゴールを決めたかったし、あのコースは練習でも蹴っていた。練習の成果だと思う」と自画自賛だった。

 清水から加入したばかりのMF高木純平も後半15分からプレー。まだまだ連係面には課題もあったが、「ボールを追いかけて、ボールを奪って、チームを鼓舞するという基本中の基本を考えながらやった。自分が入って負けたくなかった」と泥臭くチームの勝利に貢献した。

 8試合負けなしで中断期間に入ったとはいえ、勝ったのは2試合だけで、残り6試合は引き分けだった。勝ち切ることを課題としてきただけに、1点を耐え抜き、最後にダメ押しの2点を奪ったことはチームの成長を表している。GK高原寿康は「あそこから2点目、3点目を取れるというのは中断前にはなかった。中断前だったら1-1になっていたかもしれないし、そんな中で3-0で勝てたのはよかった」と胸を張った。

 順位は依然9位という中位に甘んじているが、昇格圏の3位千葉との勝ち点差は8に縮まった。逆転昇格へ。古田は「3位の千葉に勝つことで上昇気流に乗れる。ここから勝ち続けることが大事」と力を込めていた。

<写真>札幌MF古田
(取材・文 西山紘平)

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