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闘莉王代役は栗原。セルビア戦の悪夢払拭へ

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 闘莉王が不在のCBでは、DF栗原勇蔵(横浜FM)の先発が濃厚となった。この日も戦術練習では主力組に入り、中澤佑二や長友佑都らDFラインと呼吸を合わせるようプレーした。

 「前回のことがあるんで、もっと気を使ってやらないといけない。相手は強いけど、いい結果を出したい。点を取られないと負けない。守備陣が何とかしないといけない」

 忘れきれない、あの“セルビア戦の悪夢”を払拭したい。慣れた日産スタジアムで、相棒も横浜FMでコンビを組む中澤佑二とアピールをするには格好の舞台といえるが、日本代表においては、最悪なイメージが残っている。

 日本代表の南アフリカW杯メンバー決定前、最後の試合となった4月のセルビア戦。栗原は代表選出され、逆転メンバー入りのチャンスを得た。場所は長居だったが、中澤佑二と組んで先発した。中澤がW杯当確とみられた中、長身で外国人にも当たり負けしないフィジカルを持つ栗原は、中澤とのコンビネーションも考えると、第3CBとして期待を集めた。

 しかし、準備期間が短く、これまで一度も岡田ジャパンに選ばれていなかったために戸惑った。「チームとはやり方も違ったし……」と栗原。オフサイドトラップやカバーリングなどDFラインと息が合わず、前半だけで2失点。前半だけで交代させられ、横浜FMでは恩師だった岡田武史監督から失格の烙印を押された。今度こそ、の思いがある。

 「ミーティングで映像を見た。サンタクルスとか、ドルトムントのやつ(バリオス)とか、いいFWだった。負けないように食らいつきたい。攻撃参加? とりあえず守備をして、チャンスがあったら行きたい。セットプレーは、いいボールがくるので、チャンスがあると思うので、点を取れたらいいと思う」

 クラブでは“大口”をたたくこともあるが、栗原は慎重に言葉を選び、表情を引き締めた。人材難といわれるCBにあって、栗原は今後が期待される大型CB。しっかりと結果を出して、今度こそ日本代表に生き残ってみせる。

<写真>セルビア戦以来の先発が濃厚となったDF栗原勇蔵

(取材・文 近藤安弘)

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