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W杯審判西村氏「世界に勝つにはスピード」

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アディダス・ジャパンは9月10日、メディアセミナーを開催し、国際審判員の西村雄一氏とサッカー解説者の小倉隆史氏を招いてのトークセッションを行った。

先の南アW杯で4試合の主審を務めた(4試合を担当したのはW杯参加審判中2番目の多さ)西村氏は、
「(W杯)初日のフランスvsウルグアイで笛を吹いたとき、フォルランの一瞬でトップスピードに入るあの速さは想定外だった」と肌で感じた世界レベルを語った。

現地にいた小倉氏も「サッカーが進化していくなかで、フォルランやビジャなど、一流になるためにスピードは持っていて当然の要素になってきている」と分析した。

さらにスピードにはフィジカルだけでなく、「判断力」においても必要とし、西村氏は優勝したスペインを引き合いに出して、
「主審を務めたグループリーグ第2戦(スペインvsホンジュラス)では、正確な判断に基づく速いパス回しに、自分がボールを追おうとした時には、すでに次のパスが出てるほどだった」
と語り、「的確で速い判断力の賜物」としてこの試合のビジャの先制ゴールを例に挙げた。

同じくスペインに対して小倉氏は、
「1つのボールに対して何人が関われるか。スペインは3人目の動きまでもイメージを共有できているから判断スピードも上がる」
と解説、いかに現代サッカーにおいてあらゆる面でのスピードが重要視されているかが浮き彫りになった。

最後に2人は今後の日本代表にエール。
西村氏は、
「日本が世界で活躍することはレフェリーステータスにとっても不可欠。一瞬の隙を逃さないスピードを突き詰めてほしい」
と言えば、
小倉氏も、
「協調性など、今大会の日本代表でよかった点に、スピードを上乗せしていってほしい。今後は前へ出るサッカーで勝っていってほしい」
と声に力を込めた。

サッカーは日々進化している。4年後のワールドカップへ向け、日本が取り組むべき課題は、はっきりしているようだ。

(写真は史上最軽量のスパイク「F50adizero」を持ちながら語り合う小倉氏<左>と西村氏<右>。西村氏が手にしているのはW杯で自らはいた審判専用スパイク)

(取材・文/伊藤亮)

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